上海地方部大会訪問記 - 3

３　旧知の探究型NT兄弟との出会い

　以前からいつか会うことができたら、と希望していたT兄弟と
この上海地方部大会を期に会うことができた。上海に来て７年
になる彼から「上海にいた日本人」という雑誌記事を送っても
らったことがある。私の父が上海で働いていた紡績会社の初期
の幹部（養子縁組による親戚）について書いたものであった。
また、ずっと前になるがlds教会が日本に伝道を開始した頃の新
聞の扱いを国会図書館で探してコピーを送っていただいたこと
があった。

　直接会うのは初めてであったが、信仰生活のある時期幾つか
の疑問に遭遇して酸欠状態にあったとき、モルモンフォーラム
誌と出会って助けられたことがある、と言う。そして台湾に伝
道し、家庭を持つ今も疑問が去らず、是非直接会って話す機会
を求めていた、と語る。メーソンと神殿儀式の関係、多妻の問
題が彼に重くのしかかっていた。短い滞在で十分T兄弟の相談
相手になれなかった悔いが残るが、探究型の誠実な、同質の友
と会えたことは大きな収穫であった。

　数日後受け取ったメールに彼自身の言葉が記されている。

「沼野兄弟にお会いすることは、台北で初めてフォーラム誌創
刊号を拝見した1989年春以来のことで、実に20年の願いであり
ました。

　一つの信仰の持ち方が支配的な教会で、違和感と息苦しさに
悩む小生に、新鮮な空気を吹き込んでくれたのがフォーラム誌
でした。多面的な視点が許されるという健全さを、そこで初め
て確認できたような気がしました。

　小生が教会にいるのは、それに負うところが大きいと思って
います。ですから沼野兄弟にはお目にかかりたいと願っており
ました。あれから20年を区切りに、神様が今回の機会をプレゼ
ントしてくれたような気がしています。」