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 今年4月初め北京の王府井を歩いていると、商務印書館の看板が目に入った。大きな書店である。それで、キリスト教関係のコーナーを見ていると「中国地方志 基督教 史料輯要」という分厚い本が目に入った。中華民国時代に中国各地に残された県志、市志、郷土志に記載された各地のキリスト教会の歴史概況、伝わった時期、宣教師と教徒の人数、礼拝堂が建築された場所・時期などが記載されている。中国のキリスト教会について研究するには貴重な中国の資料である。私がどれくらい活用できるかはともかく、一冊購入することにした。

 例えば、江蘇省地志(民国25年[1926]印刷)によれば1835年にロンドン会のMedhurstが上海で宣教し、漸次全省にキリスト教が普及していった。その間、聖公会、浸礼派、監督派、長老派などが来て、宣教師の大部分はアメリカ人で90%を占めていた。1921年の戸口調査で省全体に1万3千人の教徒がいたと記されている。文化事業としてこの時までに金陵神学院も建てられている。(pp. 346, 348)

 これまでハルピン近郊で訪れた地域について調べてみると、ハルピンの北部にある呼欄地区の教会については、黒龍江省呼兰府志(民国4年 [1915]印刷)にキリスト教の英国宣教師が初めて1905年に来たことが記されている。そして府志が編纂された時点で678人の教徒(プロテスタント)がいたとある。(p. 250)

 また、ハルピンの北方にある都市绥化については绥化県志(民国9年[1920]印刷)にデンマークのルーテル派牧師が安東県から1911年に城北三道街に移ってきたこと、信徒数36人と記されている(p.261)。これは今年3月绥化の教会を訪問したとき聞いた話しを裏付ける内容である。

 史料にはカトリック教会(天主教)についても同等かそれ以上の記録があって、大変意義のある史料集であるが、北京市がほんの2ページしかなかったり、私が今いるハルピン市の場合は記載が全くなかったりして、よく網羅されていない点が残念である。4年弱の歳月で時間が不足したのかもしれない。

書名: 張先清、趙蕊娟编「中国地方志 基督教 史料辑要」東方出版中心 2010年 全741頁

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