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6/10 高田馬場研究会の報告(全体)

2017-06-14 23:24:56 | モルモン教関連
[撮影Steadie Saneyoshi]

2017年度の「LDS聖研グループ研究会」が東京高田馬場にある「エムワイ貸会議室」で行われた。午後1-4時で4件の発表を20数人の参加者が聞いた。


[image fr 'Stumbling through Kiwiland']

二部に分かれた最初に坂戸のテトゥアヌイ監督が「逃げた猫が公的に認められた現在、私達はどうすればよいか」という題で50分通訳(桑畑俊一)を介して熱心に聴衆に話しかけた。「逃げた猫」とは、教会にとって望ましくない教会歴史の情報や教義上の問題が、一般社会で得られるようになった事情を指す。バラード十二使徒がこの件に関し、教会の指導者たちに末日聖徒の研究者が著した優れた書籍からも学ぶように指導されたことに触れ、T監督はG.A.プリンス、パトリック・Q・メイソン、グラント・ハーディらの名をあげ、彼らから学び、力づけられると語った。教会は伝統や権威にとらわれず、柔軟に良心の声に従う会員(リベラル)をもっと必要としている(Ringwood 引用)。教会の過去に基づいて教会を判断してはならない、と語った。中で、引用に値する名言をいくつも残していったので、別に稿を起したいと思う。

一部の二番目にこのグループの主宰者鈴木壮一郎兄弟から、彼の系図探究の成果を聞いた。
お寺はもちろん、国会図書館に通い、千葉のキリスト教会などを訪れ、祖先がプロテスタント教会を興したことが紹介された。その発見の過程は、意外性に富んだ物語でこの日の圧巻であった。聞く者は一同、驚き、感動を覚えた。

15分の休憩をはさんで二部に入り、まず岸野みさを姉妹から彼女が主宰する文芸を含むネット上のフォーラム「穀粒」の趣旨と現状を聞いた。教会が米国本部による中央集権体制を固める中、機関誌リアホナは「官」の様相を帯び始めているように見える(沼野観察)。日本人による詩歌をはじめ、意見・情報交換、信仰指導、教義解説などが見られなくなっている、もしくはごく少なくなっているので、このようなフォーラムが「民」の役割を果たしていると思う。

最後に九州大学准教授のアンドリュー・ホール兄弟が、日本の末日聖徒が日ユ同祖論をどう見ているか、アンケート調査の結果を含め、その認識形成を歴史的に追って解説した。「信仰の血統」(ユダヤ・キリスト教を受け入れやすい人種)なるものがあるのか、英国にも英ユ同祖論と呼べる伝承があったこと、日本の一般クリスチャンは今日同祖論を全く問題としていないこと(末日聖徒は7割が聞いたことがある、半分があり得る、と答えているのと対照的)など大変興味深い内容を展開した。

会場は四つの異なった種類の発表を、暖かく、期待をもって聞こうとする雰囲気に包まれた。会を重ねる毎に互いに顔見知りになって、一つの学ぶ共同体ができていくようで楽しい。



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65 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-06-15 05:58:37
NJさん、まとめ記事有難うございます
気になった点がいくつかあります

>坂戸のテトゥアヌイ監督が「逃げた猫が公的に認められた現在、私達はどうすればよいか」という題で50分通訳(桑畑俊一)を介して熱心に聴衆に話しかけた。

これって日本語の達者でない外国人がビショップやってるんですか? 地元に適任者がいないのかなァと


>このグループの主宰者鈴木壮一郎兄弟

以前はNJさんを中心に、というはほぼ一人で開催されていましたが、交代したのですか?


>日本人による詩歌をはじめ、意見・情報交換、信仰指導、教義解説などが見られなくなっている

まァ、モルモンの意見交換ってちょっとでも教会への批判的意見を述べるとアレですから・・・見られなくなるのは当然かもです


>末日聖徒は7割が聞いたことがある、半分があり得る、と答えているのと対照的

こういう調査ってどうやって調べてるんでしょう? 私は今まで教会からの公式・非公式を含めてまったくアンケートなど受けた経験が全くありませんが・・・地元の市町村からは何回か郵便でアンケート用紙が届きました、それは無作為で送られてくるそうです
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ご質問、ごもっとも (NJ)
2017-06-15 09:45:39
はい、私もそう感じます。(外国人が監督)。

鈴木兄弟はグループの代表、私はグループの活動の一部、研究会(集まって研究発表)の係です。

批判的記事はその通りですが、ちょっと学術的専門的な記事が見られなくなっています。昔ならヒュー・ニブレーの連載記事(英文機関誌)のようなものが読めましたが、今は姿を消しました。

アンケート調査、教会は敬遠しているようです。実施する人とその地の指導者にもよるようですが。今回、ホール教授は九州でできて、私は大阪でやんわり、個人でするのなら、と言われ、友人、身の回りの人に20人だけできました。(その点では片寄りが出るのは避けられませんでした。)
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Unknown (教会員R)
2017-06-15 10:34:21
速報ありがとうございます。

>教会は伝統や権威にとらわれず、柔軟に良心の声に従う会員(リベラル)をもっと必要としている(Ringwood 引用)。

つまりネットで逃げた猫を見かけてがっかりしても、教会の伝統や権威に、びくびくするのではなく、各自柔軟に、ただし悪意は持たずに解釈して欲しい。そういうたくましい教会員がもっと増えてくれなきゃ教会は困るということなのでしょう。


>教会の過去に基づいて教会を判断してはならない、と語った。

教会の過去は色々問題山積だったが、今の教会は立派に成長したから、がっかりしたり心配しなくていい。 そういうメッセージですね。

>バラード十二使徒がこの件に関し、教会の指導者たちに末日聖徒の研究者が著した優れた書籍からも学ぶように指導されたことに触れ、T監督はG.A.プリンス、パトリック・Q・メイソン、グラント・ハーディらの名をあげ、彼らから学び、力づけられると語った。

バラード十二使徒がこの席で、教会が過去にあわてて破門してしまったまじめな研究者の著書もついでに挙げられるようになれば、太っ腹だったんですけどね。 
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たしか坂戸が所属の埼玉ステーク (たまWEB)
2017-06-15 11:52:33
の会長さんもアメリカンなんでは??

アメリカ事情に詳しいわけだから、教会本部一辺倒の見方(・・・教会が米国本部による中央集権体制を固める中、機関誌リアホナは「官」の様相を帯び始めているように見える(沼野観察)・・・)以外も、分かちあってもらうというメリットもあり得るということでしょうかね。
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高田馬場研究会の感想 (オムナイ)
2017-06-15 12:16:19
高田馬場といえば赤穂浪士の堀部安兵衛が助太刀したところ。

確か「決闘」があったとろだよなぁ。それにしても暑いと思いつつ。
3分前に会場へ。

NJさんから「どちらから?」と聞かれ。名乗ると「あ鹿児島の」と迎えられる。
後ろの席のイケメン兄弟から「もしかして「オムナイさんですか?」と聞かれた。「あ、はい。よろしくお願いします。」と照れた。


元さいたまステークなので川越のビショップの基調講演のせいだろうかちらほら見知った顔も。

通訳の桑畑兄弟は以前のホームワードにステークの役員?かなにかで訪問された折、神権会だったかで隣の席になったことがある。

エマスミスの話題になった時「ジョセフスミスとエマはあまり夫婦仲が良くなかったみたいだね」と教えてくれたのが印象的。

以下テトゥアヌイ・ビッショプの講演メモの一部

・福音のテーマの論文を読んで無神論者になった兄弟の話

・日本のメンバーは信仰の危機に対する備えが出来ていない

・日本ではまだ、そよ風のような嵐だが、やがて他の国のように大嵐がくる

・理解ある環境と納得できる説明が必要

・教会からお金をもらっていない研究者が必要

・神はリベラルだと思う

・祈り・聖典学習に加え福音のテーマの論文のような研究も日々学ぶべき。

・アブラハム書は聖典から除外すべきと言っている学者もいる

・ジョセフ・スミスはエマから性的に受け入れてもらえず、一夫多妻に走った

・抜き身の剣で天使から脅されたのはジョセフの言い訳

・ホームワードでリベラルな会を開くのにステーク会長から許可をもらうのに3年ほどかかった
ーーー
個人的に認識が違う部分もありましたが、良心の声に従う会員=リベラルという定義には好印象でした。

このような会が今後ますます多く開かれますように。

主宰者鈴木壮一郎兄弟並びに影の主宰者様wに感謝いたします。
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Re:ミステリーです (あらんどろん) (オムナイ)
2017-06-15 12:32:48
>「預言者の言葉であっても自分自身で研究し納得するまでは受け入れる必要はない。」とメモしました。

どうしてわざわざこんな事を書くんですか?

これはここの元記事の中の

・教会は伝統や権威にとらわれず、柔軟に良心の声に従う会員(リベラル)をもっと必要としている(Ringwood 引用)。

を自分なりにメモしたみたいですね。

>だってこのブログにコメント書く人たちって、程度の差こそあれ、預言者の言葉に対して「それは彼個人の見解であって真理ではない」として受け入れない事があるじゃないですか。
>オムナイさん自身もそうしてきたのではないですか?

はい、そうですが多くは現代の聖徒に対しても適応する教えを述べています。
時代を経て役割を終える教えがあっても当然だと思います。
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たとえ預言者たちの発言であっても (オムナイ)
2017-06-15 12:43:01
教会員Rさん(記)

>たとえ預言者たちの発言であっても、個々に捕らえ方が異なっていても教会では容認されていると思います。

だと思います。

ただ個人的には過去の問題発言を仕分けするのは如何なものかと思っていまして。

むしろ個々の研究意欲を奨励して、成り行きに任せる方が得策かと思います。

そう言った意味では過去の預言者の発言はそのまま隠蔽ぜずに公にしてほしいです。
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オムナイさんへ (教会員R)
2017-06-16 01:32:10
私が言うところの、過去の問題発言を仕分けするべきの意味は、部分的に隠蔽せよの意味ではありません。

教会としての正式な教義と言えるものを示せば、それ以外は都市伝説の可能性があるということを示して欲しいということです。 

つまりどう考えても時代錯誤の納得不能の古い資料をつきつけられて、これが預言者の発言だから、信じなければおまえは背教だみたいにいわれて、不愉快な思いをする教会員が出ないように、取り計らって欲しいということですね。
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今の時代には合理的に見えても・・・ (あらんどろん)
2017-06-16 05:41:15
この記事の最初のコメントをしたのは私です。名前を書き忘れてすみません。誰も気にしてないかもですが、一応、念のため・・・

>信じなければおまえは背教だみたいにいわれて、不愉快な思いをする教会員が出ないように、

ご自身の経験なのですか?
いやァ私にも何となくそんな経験が・・・
と言うか、予言者に従わない人は背教への道へ足を踏み出している、みたいなことは、教会幹部が言ってたわけですが・・・

「公式な教義」を示されると多分、今の時代の会員は一安心するかも知れませんが、何十年か先には「あれ間違っているよね?」なんてことになるような気がします。

前世で不忠実なものが呪われた血統に生まれたという黒人に関する教義が正にそれでして、黒人奴隷が当たり前の時代にはたいへん分かりやすく納得する考え方だったのだと思います。

それを間違っていたと謝罪も訂正せずに、いやあれはあれで意味があったのだ、教会の敵が誤解を生んだのだ、幹部も教会も悪くはないのだなんてことを言い出すから・・・と私は思うんですけどねェ

>取り計らって欲しいということですね。

でね、私は思うんだけど、教会が示す公式な教義は「予言者が啓示を受けた教えは過去も現在も未来も変わらぬ真理である」なんてやっちゃうから、教会は自分で自分の首を絞めちゃうんだろうな・・・と。

結局、予言者や啓示、末日聖典の権威を低下させて、相対化するしかないと思いますよ。まァNJさんがこのブログで書いていることってそれなんですよね。NJさんは絶対に教会批判を明言しませんけど。

私はそういう方向性もアリかなと思います。ただ今まで教会の教えていることに忠実だった会員たちに、「教会の教えの本質はそうじゃない、会員たちが勝手に誤解したので教会がおかしくなった」という説を広めようとするのであればそれは断じて許せない、と思います。

あ、これはあくまで私の単なる個人的な意見です。
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お礼です (あらんどろん)
2017-06-16 07:11:19
オムナイさん

>・教会は伝統や権威にとらわれず、柔軟に良心の声に従う会員(リベラル)をもっと必要としている(Ringwood 引用)。
>を自分なりにメモしたみたいですね。

ご回答ありがとうございます。

これって教会員側に問題がある、教会員がなんとかしろってことなんですかねェ・・・?
と思いました。

>時代を経て役割を終える教えがあっても当然だと思います。

永遠に変わらぬ真理はどこ行ったーーー!?
って思いました。
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