情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「虜」の情熱

2009-09-11 00:09:37 | Weblog
稽古が休みだったので、見たかった芝居を見に行く。

音楽劇「トリツカレ男」。

のんびりのんびり歩いて、天王洲まで。
途中で入ったラーメン屋が全くのハズレでがっかりしたけれど、作品は素晴らしかった。

振付が小野寺さん、という興味だけで行ったんだけど、それだけでなく。
ものすごく心を掴まれた感じ。

小野寺さんの振付はやっぱりすごくて、外部の作品でもちゃんと自分の色を出していて、しかも作品にちゃんとマッチしていた。

役者さん達も、皆、愛すべき人たちばかりで好感が持てた。


にしても。

終始笑顔と、そして涙とが付きまといながらの観劇。

作品世界がとにかく愛しくてたまらなくて。

原作を読んだ時は、特にあまり何の感慨もなく好きも嫌いもなく読み終えた気がする。

とすれば、自分がこんなにも心をわしづかみにされた理由は、やっぱり原田郁子さんだ。

冒頭、幕が上がると下手にピアノがあって、原田さんがちょこんと座って弾き始めるのだ。
その、歌声と、役者という職業の人にはない独特のたたずまいと。

のっけから、虜だ。

劇場空間で起こる事全てを、愛してしまうようになる。

すごくすごく素敵な作品だった。


空席がホントもったいない。
天王洲だからかなあ。。。
クラムボン・原田郁子好きは、間違なく楽しめる芝居だと思うけどな。


終演後、原田さんのミニライブ付き、という贅沢な内容。
「やわらかくてきもちいい風」をナマで聞けるなんて。

堪能しました。