情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「月は相変わらず寡黙だった。」の情熱

2010-04-10 18:10:29 | Weblog
「Book3」の発売を心待ちにする昨今。
思い出しておこうと思って、「1Q84」を読み返す。

春樹ワールドに浸る。

買ってきてすぐ読んだ時は、これで完結、でいいような気がしていたので、このあとの展開がどうなるのかが楽しみ。
蛇足、みたいなことにはならなければいいなあと思う。


にしても、村上春樹の小説は、携帯電話の普及によって危機に瀕しているのではないか。
何故ならば、基本的に「電話がかかってくるのを待って家でうだうだする」小説だから。
その、のんびりと流れる時間の使い方に、面白みがあるような気がするのだ。
それだけの理由で、時代を1984年に設定したわけではないのはもちろんだけど、「200Q」では、色合いがかなり変わってしまうのだろうと思うから。


そうでなくても、主人公達が、ちょっと行動的すぎるなあと思ってみたり。もう少し、消極的に不思議なワールドに流されていくと「羊~」とか「ねじまき鳥」とかみたいなのになあと。

二人が積極的に行動する分、つじつま合わせの必要があって、説明過多になっているような気がするのだ。
謎は謎のまま、不思議な手触りだけ残してくれたら素敵なのに。

と、あくまで好みの話だけど。


とは言え、「Book3」がホント楽しみ。

饒舌過ぎずに物語を語ってくれればいいなあ。


『月は相変わらず寡黙だった。
しかしもう、孤独ではない。』

素敵。

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