情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「タイトル会議」の情熱

2015-05-27 10:01:26 | お題でエッセイ
お題でエッセイ、です。
今回のお題は、「タイトル会議」です。

夏興行のチケット予約受付中。

天幕旅団 ♯10
「僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪」
2015/7/9(木)~7/13(月) @SPACE雑遊
ご予約は、https://ticket.corich.jp/apply/65213/002/

それでは、どうぞ。

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僕の場合は、だけれど。
ひとつの作品を作るとき、まずタイトルが一番最初に決まる。

次回の作品の題材はこれで、こういう感じの物語にしよう、っていうざっくりとした構想があって、それを書き始めるよりも前に、宣伝とか諸々の都合でまず、タイトルを決めなくてはならない、ということになる。
実際の上演の、半年前ぐらいにはタイトルを決めて、宣伝を始める。

実際に脚本を書き始めるのはタイトルよりも後なので、
決めたタイトルが脚本執筆の方向性を大きく左右する。
執筆の刺激を与えてくれるタイトルを付けられると、筆の運びが軽やかになったりするものだ。
なので、タイトル決めはとても重要である。

天幕旅団を旗揚げして、今度の作品で10本目。

♯1「エメラルドの都 ~sentimental happy days~」
♯2「天幕版 東海道四谷怪談」
♯3「SUPER☆STAR」
♯4「僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪」
♯5「弔いの鐘は祝祭の如く」
♯6「波よせて、果てなき僕らの宝島」
♯7「星降る闇にピノキオは、青い天幕の夢を見る」
♯8「Heavens ~夜と夜と音楽~」
♯9「夜よ、水際に揺らぐノートルダムの夜よ」
そして、♯10、
「僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪」の再演。

今回再演する「紅い雪」は、とにかく長いタイトルだ。
そもそも、長いタイトルをつけようと思って考えたような記憶がある。

当事の自分が脳内でどんなタイトル会議をしていたのか想像してみると、
意識していたのは多分、ひとつは、その年にちょうど劇場公開していた映画だ。
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」。
作品内容ももちろん素晴らしくて、大好きな映画だけれど。
このタイトルが、すごく秀逸だなあと思っていた。
見る前から色んな想像を喚起してくれる気がして。
そういう雰囲気のタイトルをつけようと思っていた。

もうひとつは、クラムボンの「Sooo,Quiet」という曲。
これはなんか、テーマ曲というか、作品を書く上で指針となった曲で。
淡々と、時間がただ静かに過ぎて行くような。
執筆をしながら、エンドレスリピートで聞いていたような気がする。

んで、この二つが合わさってつけたタイトルが、
「僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪」です。
今夏、再演です。