輪廻その3 (910×910 キャンバスに鉛筆)
嬉しいこと
朝の散歩、
浜からの帰り道
後ろからランニングの足音
歩道の際に身を寄せて歩速を緩める
おはようございます
振り向いたその先に
高背の青年
一瞬不思議な間があって
突然その青年の姿が小学生に変化した
おお!いつの間にか大きくなって!!もう高校生?
いえ、来年からは社会人です
大学も終えて
社会に出るのだ
希望に満ちた爽やかな空気
お父さんと一緒に走る小学生
我が子は三日ももたなかったのに
その子は朝
すれ違うたびにお父さんの後ろをついて走っていた
よちよちと必死、そんな感じだった
挨拶だけで会話を交わすこともない
名も知らぬすれ違いの親子
そのうち気が付いたら
子の後ろをお父さんが走っていた
ついに逆転しましたね
笑いながら息を切らせたお父さんに声をかけた
それが初めての会話だった
嬉しそうなお父さんの顔
それからまた
月日が流れていた
知らないうちに
子供が一人で走るようになった
小学生が
社会人に
名も知らない
人の成長を
私はなぜか
本当に嬉しく思った
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