11時30分ごろであったか、私は随分緊張して改札を通った。
私の悲しむべき習性は、最初からハプニングを起こしていた。
しっかりしていなければという思いがそうさせるのだったが、反省しても反省しても直しようのない私の姿であり、それが私の私自身であった。
全日空772便は今ようやく離陸し、北の空に向って旋回している。
私の体は機体とともに丸く拡がっていく。
しかし私の動悸はまだ、ここに至るまでの直前の過去からやってきているのだ。
その私の騒がしい動性は実に私をよく表し、この物語の最初に語らねばならないことに複雑な思いを募らせるばかりである。
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