のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

四、ユングの手紙 (女司書)1

2014-10-30 | 小説 黄泉の国より(ファンタジー)
   ユングの葬儀はひっそりと行われた。バックルパーの家族の他はエミーの友達が三人、図書館の方からはミネルバという女司書一人が参列しただけだった。二十年も努めた図書館なのに、どうして館長は来ないのか。バックルパーに腹立たしい思いが盛り上がってきた。悲しい喪失感がとげのように突き刺さってくる。  ユングの寂しい人生は自分のせいだと、バックルパーは考えていた。二人とも故国に身寄りはなかっ . . . 本文を読む
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