のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

居酒屋 6

2009-06-25 | 小説 忍路(おしょろ)
里依子の細い食を気にしながら、出された料理は残らず食べてしまうのが常である私もまた皿の上に大半を残していた。  「もしかしたら会って頂けないのかも知れないと思っていました。」  堪えきれずに、私はここに来ようと心に決めて以来ずっと持ち続けてきた不安を打ち明けた。  「いやだったら会っていませんでした。」  小さな声で俯いたまま里依子は答えた。その声は辺りの騒音に消されてしまって . . . 本文を読む
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