のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

千歳 10

2009-06-16 | 小説 忍路(おしょろ)
 足元は黒々としたアスファルトだった。雪の上の一条の足跡は神社前でそのアスファルトの中に消えたのだ。雪解けの水がアスファルトの上を流れ細かな砂を運んでは、波紋の砂溜まりを幾重にも描いている。そしてそのまま緩やかに坂道を滑り降りているのだ。  私はサラサラと走る水と砂を踏みしめるように歩き、両手をポケットに入れたまま背を丸めて坂を下っていった。  下りきったところに鳥居がある。私はそれを見たとき、 . . . 本文を読む
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