のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

セリナの物語22

2007-08-31 | 小説 セリナ(短編)
「一緒になってくれないか」 事前にいくつかの気の利いた文句を考えていたが、向き合って口に出た言葉はそんなありきたりのものだった。 その瞬間、私の心を突き刺したものは言葉の問題ではなかった。 芹里奈の顔がその一瞬、苦悩の色に染まったのだ。 それを隠すかのように、俯いてしまった。唐ゆきさんを扱った舞台を観ての帰りだった。 「悪いこと言ったかな・・・」 私は喉をからして、干からびた声をだした。 「うう . . . 本文を読む
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