金曜日。朝から雨だった。
こんな日は食料の買い出しに行こう、と思い立って出かけた。
家のすぐ近くに郊外型大型スーパーチェーンの「カルフール」がある。
地下の駐車場から地下の駐車場へ。雨でも濡れずに買い物ができるし。
以前雨の日のカルフールが異常に空いていたことがあり、今日もそれを期待した。
スペインの大型スーパーでの買い出しはとっても疲れる。
カートが大きすぎるし、店も広すぎる。
それにレジのシステムが違う。
順番が来たらレジのベルトコンベアにカートの中のものを全部のせる。
カートはちょっとした浴槽くらいの大きさと深さがあるので、中身を取り出すのは結構大変だ。
小柄な私は落っこちそうになりながら苦労して買ったものを台に一つずつ並べる。
店員はコンベアを操作して商品を次々に手に取り、バーコードで値段を読み取り、「ピッ」と会計が済んだら投げるように次の台に商品をすべらせる。
「ピッ」、ポイ。「ピッ」、ポイ。
客はカート内のものを出し終えたら休む間もなくダダッと先回りし、商品を待ち構えて、その場でどんどんレジ袋の中に入れてゆく。
このレジ袋、束になっているのを一枚一枚はがして、それをまた広げなければならず、指なんか乾いちゃっていてすごくイライラする。
「ピッ」、ポイ。の速さに到底追いつかず、あたふたしていると
「カルフールのカード持ってる?持ってない?んじゃ○○ユーロ」
とたたみかけるように値段を告げられる。
(待って~、まだ袋に入れ終えてないの~エ~ン)
お金を渡してお釣りを待つ間に神のごとき早業で残りの商品を袋につっこむ!
....ハァ、ハァ、ハァ。
忙しい。
日本のように、とりあえず会計だけ済ませて別の場所でゆっくり商品を袋につめることができればもっとリラックスできるし回転がいいのに、と思う。
スペイン人はもう誰が待っていようがお構いなしに悠々とマイペースで袋詰めをする。
ひとりひとりがそうなので当然レジでの待ち時間は長くなる。
けれど日本人はやっぱり後ろに長蛇の列ができていれば少しでも早く、とあせるのがフツーだ。
それでドッと疲れるのだわ~。
この日は完全に読みがはずれてものすごい混雑だった。
レジで30分も並んで待った。
しかしこちらの人たちの買い出しはすごい。
ハンパじゃない。
いったい何人家族?何日分のごはん?どんなに大きな冷蔵庫?
スペイン人が、食に対してかなりエネルギッシュだと言われる所以である。