ピレネー山脈をはさんでスペイン北部とフランス南西部に広がるバスク地方。
独自の文化や、スペイン語とは全く別の言語を持つ。
ビルバオ(Bilbao)は、そのバスク地方の工業都市である。
19世紀から20世紀にかけて鉄鋼・造船の町として栄えたらしい。
グッゲンハイム美術館は、ビルバオ川の両岸のしっとりとした古い町並みの中に、「なんですかこれは!?」という感じでドーンと建っている。
1997年に、ソロモン・R・グッゲンハイムによるコレクションを展示する美術館としてニューヨーク、ベニス、ベルリンに次いでオープンした。
今ではビルバオのシンボルとも言える。
建物の設計をしたのはアメリカの、フランク・O・ゲーリーという有名な建築家だということだ。
金属の曲線で作ったいくつもの箱をドンドンドーンと積み上げたような奇怪な建物で、ちょっと楽しげなのだ。
建物正面入り口の前では巨大な犬が出迎えてくれる。
犬のフォルムを形作っているのは色とりどりの花々だ。
この犬と建物はなんとなくマッチしないように思えたが、ま、いいか。
ぐるりと周囲を散策してみる。
建物とビルバオ川にはさまれる形でそこに立っていたのは蜘蛛のオブジェ。
8本の足を地面にしっかりのばして、お腹にカゴに入ったタマゴをつけている。
ちょっと待てよ、あなたにはどこかで会ったことがある・・・。
・・・そう!六本木ヒルズでお会いしましたよね。
同じルイーズ・ブルジョワ作の「ママン」という母蜘蛛なのだそうだ。
今回はワンコのゆずを連れての旅だったので残念ながら美術館の中には入れなかったが、外観を見られただけで大満足だった。
それに建物に負けず劣らず中身も前衛的なものが多いらしく、友人曰く「わけが分からなかったー」ということなので、きっと私にも理解できなかったことだろうし。
でも娘はあの建物の曲線が、中に入るとどうなっているのか興味があるようだった。
いつかまた来よう、と約束した。
いつか。
グッゲンハイムさんの趣味についていける自信がついたらきっと。
いやー、しかしゲージュツ家ってすごいね。
あんなカタチを考えつくなんて。
やっぱり私もゲージュツよりピンチョスの方がわかりやすい。
でもね、ピンチョスもいいけどたまには三ツ星レストランにも行ってみたいの~。
スペインのグッゲンハイムの外観も…私が芸術学部でも卒業してれば理解できるのかなぁ…?
私は、芸術よりもビンチョスの方がめちゃめちゃ気になるし、食べたい!