ポルトガルは、なんだか忘れられがちな国だと思う。
フランスやスペインやイタリアに比べてちょっと影が薄いという感じが否めない。
友人があまりにも「ポルトガル、よかったよぉ~。」と言うので、勢いで今年の夏休みの旅行先に決めてみたが、正直あまり期待はしていなかった。
ところがどっこい!
よかったのだ、とっても。
今回訪れたのは、リスボンとポルト。
何がよかったって、うまく言えないが、日本人の心の奥底にあるハープが、ポルトガルの海風でヴォロロロン♪と思いがけず美しい旋律を奏でてしまった、みたいな。
ぬぁんて。
でもなんとなく、郷愁のようなものがくぅーーーと心に沁みてくる。
その大きな理由の一つとして、ニオイが挙げられる。
海沿いの町を歩いていると、どこからか必ず懐かしいニオイが漂ってくる。
これは!焼き魚だ。
ポルトガルではイワシの炭火焼が名物料理の一つだ。
クンクン、このニオイはいったい何処から?
つられて入ったのは、定食屋・・・じゃなくてオープンテラスのちょっといい感じのタベルナ。
ここでポイントその2。
ポルトガルのいいとこは、カフェやタベルナが洒落すぎていないところだ。
適当にゆるくて素朴なので、気後れせずリラックスできる。
あんまりお洒落なとこは実はちょっと緊張してしまう田舎者の私にはなんともうれしい。
さて、イワシイワシ。
ホントは白い炊きたてご飯としょうゆが欲しいとこなんだけど、なくても全然かまわない。
塩加減が絶妙だし焼き加減も絶妙だ。
これはうまい!!
リスボンもポルトも、川沿いの町である。
ゆるやかに大西洋に流れ込まんとしている下流の町。
大きな橋がいくつもその川をまたいでいる。
リスボンはテージョ川、ポルトはドゥエロ川、川をはさんだ両岸が丘陵地帯になっているので、そこにかかる橋から下を見下ろすと、目もくらむような高さである。
結構な急坂の斜面に民家やレストランなどが密集している。
古い建物も多く、屋根や壁がくずれてしまっていたり、ガラスが割れたままになっていたり。
ベランダにハタハタと洗濯物がはためいていて、生活感まる出しなんだけれども、なんだかそんなこんなまるごとひっくるめて、「イイ」のだ。
あのパンツの主の生活ってどんなんだろうと勝手に思いを馳せたりして。
しかしレストランで一緒になった日本人のご夫婦は、窓に洗濯物のかかった古臭い町がお気に召さなかったようだった。
感性はいろいろだ。
自由研究って、あれなんとかしてほしいわ。
子の悩みは親の悩み。
「ちくしょー!自由研究のバカ~!」と叫んで家中ドタドタ歩き回られるのって、すごいストレス。
困るといえば、偏食も困りますね。
野菜ぎらいだと血液ドロドロだよ~。
一週間、魚、野菜の駄目なアメリカの男の子が我が家にやって来ていて、昨日帰国したので我が家でも今晩は、懐かしの焼き魚を食べようと思います。