ゆくさおさいじゃした

子どものこと,鹿児島のこと,手作りのことなど。。

本当の国際協力とは?

2005-01-17 | ☆開発教育☆
鹿児島市で行われた地球市民フォーラムに参加してきました。
主催は「地球市民教育ネットワーク鹿児島」

講師の山本敏晴さんは,西アフリカ・シエラレオネ共和国やアフガニスタンで「国境なき医師団」
の一人として緊急医療援助に携わっています。「本当の国際協力」について真剣に学び,
実践されている方です。

小学生の頃に南アフリカの人種差別問題を目の当たりにして以来,
国際協力の世界に興味を持ちながらなかなかその道に足を踏み込もうとしなかった山本さんは

「仮に発展途上国に行き,必死に医者として働いても助けられるのはせいぜい数百人。
年間数百人が飢えや病気で死んでいく状況の中で「焼け石に水」なのではないか?
それなりに任期が終わり,自己満足して日本に戻ってきてしまっては,
その国は元の状態に戻ってしまう。」

「近代文明を押しつけることによって発展途上国を開発すれば,経済は成長しGNPという
数字は上がる。西洋医学を使えば死亡率は下がるかもしれない。しかし,それで本当にその国は
幸せになるのだろうか?」

こんな風に考えていたそうです。

現在は,現地の文化を大切にしながら,現地での人材育成,日本での啓発活動に力を入れて
活動を続けていらっしゃいます。

■ 宇宙船地球号 山本敏晴さんのHP
■ 山本敏晴さんの著書
■ NHK週間子どもニュース
■ 高校での講演・写真展

山本さんの著書は,非営利で印税,原稿料を一切受け取っていないそうです。
また,自身が運営している「世界の教科書を作る会」のために募金する事は原則として
行っておらず,団体の枠を超えて世界のことを考える重要性を説いていらっしゃいます。
著書には,写真家でもある山本さんの撮った写真がたくさん載っています。

山本さんは

「『愛情』の反対は『憎悪』ではなく,『無関心』である。」

と言います。

地球人として世界のことに目を向けず「無関心」でいることが一番の罪です。
石油があと40年,天然ガスが60年,ウランが65年で枯渇してしまうという現実を知らないこと,
このままでは,20年後に世界の人口が80億人になり,食糧難になること
平均寿命40歳の国(シエラレオネ共和国)があるということ
……

まずは関心を持ち,地球の出来事は自分に繋がっているという事を常に考える習慣を身につけたい。
そして,「自分の行いが世界に繋がっている」ということも…