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一見無秩序に見える群衆も,浮浪者も,
例外なく、いずれかの共同体に属している。
個人は家族に,家族は血族,そして部族や人種と属類が広がっていく。
それぞれで,習俗,地域宗教,伝統に囚われる。
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世界の歴史は、独善的な強権政治の品評会である。
権力を得た少数の層が社会を従属させ、
利害を共有する階層を幸福にすることを目指し、
その社会の正義とするのである。
自由と民主こそ世界に普遍的な正義であり、人類の希望はそこにある。
アメリカが率先して標榜するところである。
だが、世界は極めて複雑に成り立っている。
何事にも幻想が張り付いている。
強い國アメリカの主張と戦略が世界を揺さぶり、民族や宗教の葛藤を引き起こし、
世界の失望の大半を創出している。今はそういう世紀といえないだろうか。
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社会の属性は性悪である。
広範なニーズが渦巻いているから、浄化しても浄化しても汚染する。
偏狭なことは社会にとって不愉快で,毒にすらなる。
だが,時に、内包する問題の核心を衝いている。
点検と改善、妥協と和解が繰り返し繰り返し問われている。
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政治の理念は、庶民の不満の総量に耐えられるのだろうか。
理念と希望は、現実の身近な不満にいつも負ける。
身近な不満の核は、経済の充実度である。
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思想的なナルシズムと社会的ヒステリーは同居している。
狂信的イデオロギーは混沌の前戯であって、やがて癌化する。
不必要なことまで管理し,管理行為そのものが正義になっていく。
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