世態迷想・・抽斗の書き溜め

虫メガネのようであり、潜望鏡のようでも・・解も掴めず、整わず、抜け道も見つからず

2024/06/04

2024-06-04 | 「鰯の頭も信心から・・」

📌

人の道を説き、愛や慈しみを語る宗教の歴史の実態は、専ら権威と排他を増幅させてきただけである。

どの時代をとっても戦争の土台、残虐の歴史を含んでいる。

信仰の清らかさを謳う舞台裏は、単に傲慢と差別と憎悪の博物館である。

それでも人々は、信仰する。清らかな幻想に救われたいのだ。


神が存在するかしないを、考えてみようとは思わない。分からない。

だが、人間の顔をした神や神の子がいたという、その言い方は馬鹿臭い。

神の子出現前の万年を超えて存在した人々を、人間の基本を持たない夥しく未開な存在だとするのだろうかと、問いたい。


宗教者たちが、自らを気高い伝承者らしく装うのが滑稽である。

宗教行為に、仰々しい舞台を設けて、いちいち儀式を重んじるという事が、

既に、伝承はそうした演出がなければ説得力を持たないという事を示している。


人々は、求めるものがたくさんあり過ぎて、誰かから知恵を借りたい、頼りにしたい、

慰められたいといった気持ちが、絶えなく生じて、一生拠り所を求める生き物である。

それに応えてくれる賢者がどの時代にも出現して、人々はその声に耳を傾ける。そういうことはあるだろう。


だから、その言葉を伝承したい者達が出て来ても不思議ではない。

だが、それが必然としてシステムとなり、団体の布教活動となる。

彼らは断固とした自己肯定で、影響力を広げようとし始める、それが使命だと。

だが、歴史を辿れば、それは分派を生み出し、まもなくして枠外を異端とする排他主義に陥り始める。

その宗教活動は政治的に動き出し、専制国家を超えるような戦略を展開して、世界に諍いと陵辱の種子を撒き散らしている。


それが人々の基本的な弱点を補う賢い言葉であっても、その言葉が生まれた時代の状況が土台になっている。

人の精神の有り様は遺伝的にコピーされ続けているから、その言葉の力が依然として、一部では有効であろう。

であっても、一方で自分たちで戸惑ってしまうほど、スケール違いの破壊と創造の状況を人々は作り続け、積み重ねている。

社会の力動は、幾層も複合してお化けのように掴みどろろを見えなくしている。


宗教は、支配欲の強烈さが潜在しているシステムなのである。

人々は、善意を持って、敬ってすっかりその暗示にかかってしまう。頼りになる進言をいつも待っているからだ。

マザコンから自立できない大人たちが多いから、宗教団体には、いつも好都合な環境が待っている。


宗教者たちは人々をマウントしたがる。現実世界で生活していないにも関わらず、宗教者は精神的に優位にあると勘違いしはじめる。

なにごとであれ、神の言葉の伝承者として見通し出来ると思ってるようだ。

が、マウントされる側に、問題があるのがそもそもの前提である。

苦しみが多くて報われないと、人々は思いがちである。

悲しみに耐えられないと、誰かに訴えたがる。

自分は清い生き方をしていると、確かめたがる。

いつも神に許しを得ていると、思いたい。

人々の依存心は、宗教の美味しい食材である。料理のしがいがあるに違いない。

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灰色

2024-06-04 | 雑々と過って惑う
📌

骨格も内臓も 灰色なる老いを知りてか 歩み合わせよ


混み合った 医院の椅子の 素っ気なさ


混み合いで むしろ和らぐ 受診待ち


高齢と 呼ばれて久し また師走


誰もいぬ 病院廊下 我ひとり


あの時、遺体の額に手を当てその冷たさに、母の生命の果てたことを実感した。


衰弱した病床の父との最後の目の会話も焼き付いている。

言いようのない寂しさと静かさを覚えた。


あれから40年は過ぎてしまった。

その私が80余歳となっている。

生命の限りを思う日々である。


そうではあるけど、親への想いに過ぎ去った時間は邪魔をしない。

写真と共に様々な親の顔、祖母の顔がすぐそこに浮かぶ。

疾うに存在しないのに情が重なって重なって過ぎる。

情感とは不思議なものである。

そして、また年が暮れる師走が来てしまった。


僕もいずれ、娘や孫にそういう想いを誘うのだろうと思う。

僕はそれを察知もしない、後の者だけに思い出す情感が過ぎる。

それが一番だ。

それで充分だ。

霊があるなんかと祈ったりしないでくれ。

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選良という言葉があるのは、間違いだ。

2023-12-22 | 政治家を選良と思うのはやめよう

📌

政治集団の不誠実。

彼らをそれを流儀としているのだろうか。

彼らは法を作るけれども、彼ら自身は遵法精神が乏しい。

常に法の抜け道を歩こうとする。

裏金とかキックバックとか、策謀丸出しである。

今回が特異なことでもない。それが国民を苛立たせる。

集団も構成員も、選良とは程遠い。

ただただ狡猾な手法に頭を捻り、平然と組織内正義としている。

暴力団もどきの結束で、それを実現させている。

政治家は、やはりどこかが信用できない。容易く変質してしまう。

露見すると、政治の信頼回復を政治家側が盛んに発信する。

国民には、それが力弱く虚しく響くばかりだ。

これまでも政治家の数々の不正、不祥事を知っているからである。

不審な金の動きのみならず、優越的な越権行為とか、選挙のためなら反社会勢力をも

与するなど、選良の欠片もない。ずるさ丸出しである。

 

 

 

 

 

 

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経営のいやらしさ

2023-12-22 | 組織が悪魔になる時

 

📌

ビックモーターズの反社会的な経営が紙面を賑わして、間もないのに、

今度は、ダイハツの会社ぐるみの不正検査が明るみに出た。

全工場の生産停止に追い込まれるほど、結果は重大で、愚かな経営だった。

社会の眼がこのことに気がついて良かった。

 

そこに購買者に対する安全意識はない。

何をもって完成車と思えたのだろう。

購買者に対する生産者の裏切りである。

 

こうした組織内正義が大メイカーで罷り通っていた事に、

全くうんざりする、またも、経営はすまし顔で反社会的になる。

企業経営は、時として安直なその場凌ぎ、言い訳を選ぶのだ。

 

“ごまかし“が、

会社に重大な損害をもたらした数々の先例を知らぬ筈が無いと思われるのにだ。

学習能力がない。大組織には腐敗菌が潜在している、という証明である。

今回の結果は、様々な協力会社にも大きな影響を及ぼしてしまう。

経営とは、時の幹部の社会不正義であっさり破壊されていくものなのか。

 

厳しい生産ノルマだという言い訳だろう。

それを逃げ場にしないのが、経営の知恵ではないのか。

でも、誰かが言い始めた、やり始めた、そして慣行になり、工程は変質されて、

断ち切る事ができてない。幹部の意思も社員の告発も発揮されなかった。

またぞろ経営陣が企業を潰す。

 

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耳障りな・・・

2023-10-15 | 雑々と過って惑う

 

いつのころからか、

関係性とか空気感とかいう言い方をよく耳にする。

が、このいい方が僕は引っかかる。気持ち悪い。

いろんな単語に的を不用意に付けまくることと同じだ。

単語に安直に糊付けしても特殊な雰囲気は出ない。

前後の行間が生む感性に任せることだ。

とにかく、無駄な畳語みたいで聞き心地が悪い。

不要な装飾をやめてもらいたい。言葉の力が腑抜ける。

関係や空気でなぜいかんのか。

その方がよほど真っ直ぐ響く。

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