学校が終わると近所の子供が6、7人集まり、
近所の大きな敷地を持った材木屋でかくれんぼをするゲームにしばらく熱中した。
学校が終わるのが待ち遠しいほど、わくわくする隠れんぼだった。
今思えば、よくその場の大人たちに怒鳴られなかったものだ。
大きく積み上げられた材木の山の間に身を隠し、隙間から情勢を窺い、
木くずの匂いを嗅ぎ、駆け抜け・・、 こんなことが無性に楽しかった。
広い敷地を縦横に動き回った。
時には、棒切れをつかんでチャンバラに興じ、風呂敷のマントでヒーローにもなった。
あれはそれなりに心弾む冒険ごとだったのだろう。
火事に走る
小さな町だ、めったにないことだが、消防のサイレンが鳴ったりすると、
遊んでいた僕らは一斉に興奮した、どこだどこだ・・
あっちの方だとなると、夢中でドタドタと駆けだしていた。
だれが一緒に走っているのかも気にせず、どんどん走る。
知らず知らずにとなりの村まで行ってしまったこともある。
そのときは鶏小屋が火事の現場だった。もう火は消えていた。
しばらくして周りを見ると見知った顔が誰もいない。
ふっと帰り道のことが心配になり始める。
興奮がすっかり冷めて、ひとりトボトボと歩く帰り道の寂しさ、
そしてその遠かったこと・・。
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