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私が25歳、長男が生まれ・・・お宮参りを済ませた翌朝「父危篤」の電話が入りました。
列車の時刻も迫っていたので、長男のオムツ・粉ミルク・お湯を入れたポットを取敢えず用意し、
タクシーをつかまえ・・・京都駅へ・・・何とか、間に合いホッと一息・・・
郷里の駅から直接、病院へ妻と子供は外で待たせ、病室へ・・・
ベッドに横たわっていた父は、酸素吸入をしていました・・・
取敢えず、妻と長男を私の実家に行かせて待機・・・私はそのまま、病院へ残りました・・・
その深夜に、父は旅立って逝きました・・・
亡くなる前、数回、私は父の見舞いに郷里へ足を運びました・・・
私が病院を後にしようとした時、父が、声を振り絞るようにういった言葉・・・「京都の人に宜しくな」・・・と
妻に、一度たりとも逢おうとしてくれなかった父が・・・
「私達の結婚を許してくれたんやな」・・・と、本当に嬉しかったですね・・・
その言葉を最後に、亡くなるまで言葉を発することはなかったそうです。
自発呼吸もままならなくなり・・・時たま、たんの吸引をやっていたようです。
今は、その想いも遠いものと感じるようになり・・・
私は親父の亡くなった時の年齢を何時の間にか越してしまっています。
今朝は、たんの自動吸引装置についての記事を紹介してみようと思います。
~以下、9月29日読売新聞朝刊より抜粋~
たん自動吸引 負担軽く
病気や事故で呼吸不全に陥り、のどの気管を切開して人工呼吸器をつけた患者は、自力で排出できないたんを定期的に取り除く必要がある。これが介護者の大きな負担となっていたが、たんを自動吸引する装置が開発され、注目が集まっている。(佐藤光展)
介護者による回数激減
気管切開で装着する人工呼吸器は、全身の筋力が衰える難病「筋委縮性側索硬化症」(ALS)や、脊髄損傷などで自力呼吸が困難になった患者らに使われる。カニューレと呼ばれる管をのどから気管に差し込み肺に空気を送る。
カニューレ内には自力で排出できないたんがたまりやすく、放っておくとカニューレが詰まるため、たんをほかの人が定期的に吸いだす必要がある。人工呼吸器を一時的に止めてカニューレ内に細い管を差し込み、たんを機械で吸引する方法で、医師や看護師のほか、在宅では講習を受けたヘルパーや家族が行う場面が多い。
吸引の頻度は患者の状態により異なるが、夜間も2、3時間に1回の吸引が必要になることが多い。介護する家族は一晩に何度も起きなければならず、心身ともに疲弊してしまう。難病の患者は家族の負担を気に病み、人工呼吸器を装着せずに亡くなる人も多い。
たんの自動吸引装置は、患者や家族の悩みを知った大分協和病院院長の山本真さんと、医療機器製造会社社長の徳永修一さんが、1999年に開発を始めた。この試みは厚生労働省が注目し、研究班を組織して完成度を高めた。
徳永さんらが当初検討した仕組みは、一定以上たまったたんを感知し、その度ごとに吸引する方法だったが、吸引に大きな力が必要で、患者の肺に送る空気まで多く吸い取ってしまう問題があった。
そこで考案されたのが、少ない吸引量で常に吸い取り続ける方法。気道の粘膜を傷つけないように、吸引口をカニューレ内に収める工夫もした。
臨床研究の対象患者7人では、夜間に平均2.6回だった吸引回数が、この装置を使うと平均0.5回に減った。人による吸引が6日間必要なかった患者もいた。
2008年に吸引器、10年には吸引口をカニューレの内側につけた特殊なカニューレが薬事承認され、在宅や病院で使用できるようになった。自宅で闘病するALSの男性患者は「妻の負担が減り、ぐっすり眠ってもらえることが何よりうれしい」と喜ぶ。
吸引器の価格は16万円(税別)。公的な給付制度を使うと約10万円で購入できる。カニューレは4570円で、保険がきく。吸入器のこれまでの販売数は約500台。看護師の負担軽減のため導入を検討する病院も増えている。
ただ、この装置は自動吸引装置として薬事承認を得たわけではない。新規の医療機器として承認申請すると多額の費用と長い時間を要するため、通常のたん吸引器とカニューレとして承認を受けた。これらを組み合わせて自動吸引装置として使うのは医師の裁量となり、主治医の理解が欠かせない。
山本さんは「患者や家族が喜ぶ顔を見ると、開発して本当に良かったと思う。様々な学会で有用性を報告し、医師の理解を得ていきたい」と話している。