さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

宮廷女流日記文学

2010年09月30日 | 本♪
池田亀鑑著「宮廷女流日記文学」

この本が神保町で見つけたもう一つのお買い得本♪
この先生の本は以前、「源氏物語入門」を読んだが大変読みやすく面白い本であった。

内容は、

蜻蛉日記
和泉式部日記
紫式部日記
更級日記
讃岐典侍日記
十六夜日記
弁内侍日記
中務内侍日記 の考察である。

はしがきに、

この書は、実に、通俗的な、概論的な、常識的な、研究ともつかず、
考証ともつかず、評論ともつかない不徹底な、妙なものになってしまいました。

とあるが、その分私のような何にも知らない初心者にはもってこいだと思う。

和泉式部日記についての章から読み始めたが、

「和泉式部は純真の性情をもって、上東門院の寵をうけたことは、中宮の賜った御歌でも知れる。
式部は紫式部におけるがごとき貞淑と、赤染衛門におけるがごとき謙譲と、
清少納言におけるがごとき機智とはないけれど、また他に求むることを得ない純真と情熱を有する…」

とある。

和泉式部ファンとしては嬉しい記述♪
女からみても素敵な魅力的な女性だったんだろうと思う。

美貌と和歌に関しても天才的な才能を持ち合わせていたのだから当時なら鬼に金棒!

まあ多くの女性たちにひがまれたことでしょう(笑)

更級日記の章で、
「和泉式部は、人間の追求すべき理想を、純粋な『恋愛』に求めてさすらい、
ついに、そこに到達することが出来ないで倒れた予言者的な殉教者である…」
と更級日記の著者と比べていて、また紫式部の『恋愛感』についてもふれているのが面白かった。

紫式部日記の章では、

「紫式部における『心ばへ』は、知性的なるものと感性的なるものとの調和である。…」と。

なかなか眠れぬ秋の夜長に読むには面白い本である♪

ヒガンバナ

2010年09月30日 | 植物
ヒガンバナ科

近くの植物園では、あちらこちらにヒガンバナが満開である。

路邊 壹師花 灼然 人皆知 我戀

と柿本人麻呂が万葉集の中で詠んでいて、「壹師花」がヒガンバナのことらしい。

「曼珠沙華」とも呼ばれるし、「地獄花」とか様々な名をもつ花でもありますね。

群落で咲く名所もありますが、
私はなにげない道端に2~3本がひっそりと咲いている方が好みである。