さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

諸国畸人伝

2010年09月17日 | アート♪
「絵師10人驚愕の不協和音」と題した板橋区立美術館の江戸文化シリーズNO.26

毎回毎回期待を上回る面白い企画で楽しませてくれるが、今回も実に素敵だ♪

「近年の伊藤若冲ブームは異常とも言えるほど盛り上がっている。
18世紀の京都文化の成熟を実証する若冲の個性的な絵画が、
戦後の奇妙な平等観や平均指向の中で高い評価を受けずに来た。
ところが、戦後は遠くなり平成の世ともなると
あまりにも普通で平均的な価値基準では面白くないと感じる人達が増加した。
そこで脚光を浴び出したのが若冲をはじめとする「畸」の人々である。
この畸人たちは19世紀ともなると江戸や上方のみならず全国に波及し
次々と個性を発揮し始める。彼らはその地方で愛されてきたが、
中央で知られることは少ない。
そこでこの機会に、諸国で活躍した画人の中から特に「畸」とするものを
10人選んで一堂に会してみようというのが本企画である。」

と図録のごあいさつにある。

まさに待ってました!の企画である♪♪♪

10人の畸人たちとは、

菅井梅関
林十江
佐竹蓬平
加藤信清
狩野一信
白隠
曾我蕭白
祇園井特
中村芳中
絵金

恥ずかしながら、佐竹蓬平・加藤信清・狩野一信は知らなかった。
とくに佐竹蓬平は父の実家のある飯田で南画を広めたそうで、
美術に全然関心のない父がその名前を知っていた(笑)
菅井梅関らから始まる展示室に足を踏み入れると、思わず小躍りしたくなるほど
面白い作品群が並んでいた♪♪♪

本当に板橋区立美術館は面白い!
来月早々、
「琳派展ⅩⅢお江戸の琳派と狩野派展 ~板橋区立美術館×細見美術館~」
ということでいよいよ都に上られるのも楽しみなことである!

秀山祭九月大歌舞伎 昼の部

2010年09月17日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎
昨日、秀山祭九月大歌舞伎昼の部を拝見した。

といっても少し体調が良くなかったので、仁左衛門丈親子三代の「荒川の佐吉」から拝見。

歌舞伎座から演舞場になり、劇場の座席のレイアウトもずいぶんと違う。

歌舞伎座では花道際は5番で、花道との間に通路があった。
演舞場は花道際の席は7番で、席に着くには5人の客席の前を通してもらうことになるのでちょっと不便。
昨日も休憩時の出入りにすこし厭な想いがともなった。
歌舞伎座時代は、お互いが譲り合って「どうぞどうぞ♪」みたいな感じが普通であったのに、
昨日は、「すみませんがちょっと通していただけますか?」と云っても
足元に荷物を置いたままで、「またいでいけば!」みたいなご婦人がいらして困ってしまった。
歌舞伎座が閉場してここ数カ月演舞場での観劇でつくづく思うのは、お隣の観客の冷たさ!
自分が先でも後でも隣の観客に挨拶を交わすのが常であったが、
最近はそういう「袖すりあうのも」がまかり通らない雰囲気である。

偶然に隣り合わせた方々と歌舞伎談義ができた歌舞伎座が昨日はむしょうに恋しくなった。

なんてばあさんのぼやきであるが…

「荒川の佐吉」を演じさせたら仁左衛門丈であるが、
それ以上に今回は染五郎丈の辰五郎がとにかく素晴らしく良かった!
お目当ての千之助丈も盲目らしい感じが良く出ていて、
もはや可愛いというより上手くなられたなぁ~という感じ。
歌六丈の浪人成川も「勝つものが強い」という佐吉の言葉に自身の行く末を決める
心情が良く出ていた。

藤十郎丈の「寿梅鉢萬歳」はもともと人形浄瑠璃の「花競四季寿」からの舞踊らしいが、
おめでたい雰囲気でも春だけだとちょっと季節的に???という感じであった。