ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

ナノテクノロジーとバイオセンサー

2012-03-14 | 報道/ニュース

バイオセンサーとは生体分子を認識するセンサーである。ナノテクノロジーがこの分野でも威力を発揮しそうだ。

以前からプラズモニックス(3/9参照)がバイオセンサーに利用されていたが、最近テキサス大学の研究グループが、たんぱく質の種類、構造、結合状態を高い精度で検出可能なセンサーを開発した。このセンサーは、石英の上に数本の長方形の金を付着させたものである。この人工材料の赤外線反射係数の波長依存性を測定することによって付着したたんぱく質についての知見が得られるという。この方法は物理量の変化から直接タンパク質の種類を検出しようとするもので、現在のところ多数の分子が付着しないと検出出来ない。しかしながら、検出感度がきわめて高く1分子を検出出来る可能性もあるという。

http://www.nature.com/nmat/journal/v6/n4/full/nmat1874.html

コーネル大学の研究グループは、シリコンのフォートニック結晶(11/18,19参照)をバイオセンサーに用いている。石英板上に垂直にシリコンナノワイヤーを周期的に配列し、各ナノワイヤーに単鎖DNAを付着させたものをセンサーとして用いる。DNAに生体分子が付着するとナノワイヤーの質量が変化し、これが振動の共鳴周波数を変える。これによって光の吸収係数の波長依存性が変化する。比較的感度が高いので病気の早期発見に利用出来そうだという。

http://www.nanowerk.com/news/newsid=23693.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29#.TuLjQUF9oFg.google

電極を酵素でコートし、酵素と生体分子との反応によって生じる電子を検出するバイオセンサーがある。パーデュー大学の研究グループは、電極にカーボンナノチューブとDNAを用いることによって、センサーの性能が上がること見つけた。カーボンナノチューブは水となじみにくいが、DNAを付着させることによって改善されるという。
http://www.nanowerk.com/news/newsid=23396.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29#.TsM-iASh9Iw.google