ナノテクノロジーニュース

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金属・有機構造体(MOF):水素燃料タンクから炭酸ガス捕獲まで

2012-03-02 | 報道/ニュース

金属・有機構造体(MOF)とは、多孔性の結晶性材料で、有機物材料が主要構造体をなし、金属原子が随所に結合したものと考えればよい。その一例を下に示す。孔の体積が全体の体積の90%を占めるものまである。表面積が大きいことが特徴で、しかも有機材料や金属の種々の組み合わせが可能である。そのため、その応用範囲が広い。クリーンエネルギー分野では、燃料ガスの貯蔵、さらに炭酸ガスの捕獲に利用されようとしている。そのほか、浸透膜、触媒、医療用イメージングなどへの応用が考えられている。

以前述べた燃料電池(10/16,17参照)用水素やメタン燃料の貯蔵法として有力視されている。また、火力発電所などで放出された炭酸ガスを吸収するのに用いられようとしている。炭酸ガスを20%以上取り除くことが出来るMOFも開発されているようだ。捕獲した炭酸ガスの量が化学工業用に消費するには多すぎるので、地下に埋没することなどが考えられている。

捕獲効率の高いMOFを探る理論的研究(アメリカローレンスバークレイ国立研究所)や高効率のMOFの試作(ノースウェスタン大学)などのニュースが報じられている。