ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

ナノテクノロジー関連企業の国際的な動き

2012-03-06 | 報道/ニュース

昨日のNonowerkニュースに掲載されていたナノテクノロジー関連企業の国際的な動きを紹介しよう。

東京エレクトロンがスイスのOerlikonグループの太陽光発電部門Oerlikon Solarを買収するよう計画が進行中であるという。Oerlikon Solarは、薄膜シリコン太陽光発電モジュール(1/4参照)の大量生産ラインを所有している。従業員675人、世界中8カ所で活動している。同グループは、この売却によってさらに新しい分野での進展を目指している。一方、東京エレクトロンは半導体製造装置の世界的なサプライヤーである。太陽光発電ビジネスを取り入れることによって、環境問題にも配慮した新しい発展を期待しているという。

リン酸鉄リチウム電池を開発し製造しているアメリカのA123 Systems社と中国最大の自動車製造会社SAICは、両者の協力関係を強化すると発表した。リン酸鉄リチウム電池は、陰極にリン酸鉄リチウムを用いるリチウムイオン電池(11/1,25参照)である。A123 Systems社は、リチウムイオン電池の開発ならびに製造に携わって来た著名な会社である。リン酸鉄リチウム電池Nanophosphate®は、マサチューセッツ工科大学(MIT)で開発されたもので、同社が独占販売権を持つ製品である。高い蓄電能力と高いエネルギー密度を誇る製品である。SAICとの提携により、ATBS(先端的車両用バッテリーシステム)というジョイントベンチャー企業を立ち上げている。ATBSはすでにSAIC社の車両用バッテリを提供しているが、今回の提携強化により、中国の新エネルギーイニシアティブ計画に呼応した多目的蓄電池の開発を目指しているという。

IBMはバッテリー500プロジェクトを立ち上げた。リチウムエアー電池を用いて、1回の充電で500マイル(800キロメートル)走れる蓄電池の開発を目指している。。リチウムエアー電池とはリチウムイオン電池の1種で、陽極でリチウムを酸化させ陰極で還元させる。各国の自動車会社は、この成果を注視していることであろう。