ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

多機能ナノロボットを目指して

2012-03-31 | 報道/ニュース

ナノテクノロジーが目指すものの一つは、身体中が駆け回り検査や治療を行うナノロボット(11/7,2/14参照)である。最近の傾向は、ロボットに生物の機能を持たせ得るよう(バイオミミック,biomimic)、比較的サイズの大きいロボットを用いた基礎研究にあるようだ。

テキサス大学の研究グループは、水素ガスで駆動するクラゲ型のバイオミミックロボットを開発している。その様子は、ビデオ(http://youtu.be/PJRfTASo0ow)で見ることが出来るが、特徴は人工筋肉である。直径16.5cmのベル型の物体は、ニッケルチタン合金の線の間に白金の粒をちりばめ多重壁カーボンナノチューブのシートで取り囲んだものである。水素と酸素がこの物体の中を通ると、白金が触媒となって反応し熱を出す。ニッケルチタン合金の温度が特定の温度を超えると相転移が起こって収縮する。この変化は形状記憶型である。外から力が加わっても温度が相転移の温度より下がるまでそのままの形を保っている。相転移の温度より下がると元の状態に戻る。このようにして、ベル型の物体が水を切って進むことが出来る。このロボットは水中の監視に使えるという。
http://www.nanowerk.com/news/newsid=24689.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29#.T20s_Dzl9pM.google

さらに多機能のロボットがイギリスとアメリカの政府機関の共同出資で開発されようとしている。そのロボットの名前はCyberplasmで、人工筋肉はもちろん目、耳の機能を持たせ、さらにエレクトロニクスを使った神経機能を持たせるという。生物と同様に、光や化学物質に反応するロボットを目指している。大西洋に存在するやつめウナギを模倣しようとしているようだ。
http://www.nanowerk.com/news/newsid=24771.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29#.T3UcgbcJBRs.google