四十四、西天東土
西天の意義は、西方は五色の白色に属しているのを取ったのであります。
おおかた白色は色の原地でありまして、人の性の中は本来染まる所なきものであります。
一切の情や縁を所有するのは、皆後天の世俗をなすのであります。
そこで“存心養性(ぞんしんようせい)”の工夫を用いて、本原に返還しなければならぬのであります。
初めに何処(いずこ)より来るかを知って、亦そこへ帰っていかなければなりません。
地球上を東土と申すのでありますが、東土は元をなして春をなし、仁をなして能(よ)く万物を生むという意味であります。
世間に“東で作って西で成す”という説がありますが、これも亦この意味であります。
続く