十七、金鶏三唱(きんけいさんしょう)
五行とは、金・木・水・火・土であり、金はその一つであって、西方に位置しております。
故に、古書に西方・庚辛(こうしん)・金と書かれてあります。
鶏(けい)とは、酉鶏(ゆうけい)即ちとりを指しております。
酉(とり)は十二支の一つで、同じく方角は西であります。
故に、『日は卯(う)に出でて、酉に没す』と申しますが、言い換えれば、日は東より上り、西に落ちるということであります。
金鶏という二文字は、結局、西方の変形した象(かたち)であります。
西方は金に属し、金色は白でありますから、白陽の天盤(てんばん)、即ち、金公祖師(きんこうそし:弥勒祖師)様が天運に応じ、天盤(宇宙を総理する)を掌(つかさど)られるのであります。
三唱とは、三期末劫が至れば弥勒様は必ず三回世に降世し、理を唱え、法を伝えるのでありますが、そこで道が始めて明らかになり、世の中に現れるのであります。
故に金鶏三唱と申すのであります。
大道が明らかになると言われるのは、金鶏三唱の時を申すのであります。
即ち、道と劫難が斉(ひと)しく降(くだ)って、大道が宏(ひろ)まり、世の中に顕れる時を申すのであります。
続く