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11月の花のアルバム ⑨

2023-12-26 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 11月の花のアルバム ⑧ 2023-12-24


11月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。11月はやっと秋らしい気候になり、植物・野鳥・昆虫など約230品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として10回に分けて投稿しています。

今回も、10月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

原 由子 花咲く旅路

本種はイスラエルのダンジカー社が育成したマーガレットの一品種で、その中の「ローリーズ」というブランドシリーズの1つになります。

よく分枝し、花数が多く、ドーム状に花が展開する点が特徴です。四季咲き性があり、咲き終わった花を切り取ってあげると、次々と花が咲き続けます。

<マーガレット・ホワイトチョコレート キク科キク属>
11/14 あけぼの山農業公園

北海道南部~九州の高山帯~亜高山帯に分布するキジカクシ科の多年草。針葉樹林の林床など薄暗い場所に群生します。

花の後には水分を含んだ直径5~7ミリの球形の果実がなり、秋には赤く熟します。実は紅葉とのコントラストが美しく観賞の対象になり、甘味があって食用にもなります。

名前は葉の様子が翼を広げて舞う鶴に似ているとして名付けられました。日本以外でも東アジアと北アメリカの温帯~亜熱帯に分布します。

<マイヅルソウ(舞鶴草) キジカクシ科マイヅルソウ属>
11/4 つくば実験植物園

南アフリカ原産の多肉植物で、多肉質の細長い葉が密生し、キクのような花を咲かせます。

キク型の花を初夏を中心に秋まで断続的に咲かせます。赤やオレンジ、黄色、白など花色が豊富に出回っています。

葉と花の形から本種の名前が付きました。菊の名がついていますが、キク科の植物ではありません。

<マツバギク(松葉菊) ハマミズナ科マツバギク属(ランプラントゥス属)>
11/8 東邦大学薬用植物園

北海道、本州、四国、九州に分布する日本の固有種で、山地の草原に生育します。

葉を出して冬を越し、花を付けてから枯れる冬型一年草ですが、高地では枯れずに2年目の葉を出す多年草です。

開花は8~10月で、長く伸びた花柄の先端に直径4~5センチ大の半球形をした花が一輪ずつ咲きます。

松虫が鳴く晩夏から初秋にかけて開花すること、松虫が好みそうな草地に生えること、あるいは果実が風に揺れて生じる音が松虫鉦という、小さな鐘の音に似ることからと名付けられたようです。

<マツムシソウ(松虫草) マツムシソウ科マツムシソウ属>
11/4 つくば実験植物園

本種の仲間は美しい種が多く、いずれも南北アメリカ大陸の原産です。日本には1870年頃に観賞用として渡来し、逃げ出して全国に広がりました。

夏の夕暮れを待って、月の滴が零れ落ちたかのような黄色い花を咲かせます。またの名を「ヨイマチグサ(宵待草)」とも呼ばれます。

夕方から翌朝まで開花し翌朝には萎んでしまう一日花で、一夜限りのはかない草花です。

<マツヨイグサ(待宵草) アカバナ科マツヨイグサ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

自生地の熱帯アジアでは半つる性の常緑低木で、地植えで一年中花を咲かせます。香料用植物として知られるジャスミンの1種で、漢方では花と根を生薬として用います。

仏陀の歯にたとえられる純白の花はやや肉厚で、クチナシに似た強い香りを放ち、仏教では仏の住む国に香るとされます。

夏の夕方から早朝に花開き、時間がたつと紫がかったピンク色に変色する一日花ですが、涼しい気温の初夏や秋口にはより長もちします。和名は、漢名の茉莉花を日本語読みしたものです。

<マツリカ(茉莉花) モクセイ科ソケイ属>
11/1 京成バラ園

本州、四国、九州、沖縄 の山地に自生する常緑低木。雌雄異株。イヌツゲの園芸品種で、公園・庭園などで丸く刈り込まれたものをよく見かけます。

初夏~夏、白い4弁花を咲かせます。葉は小楕円形で、光沢のある緑色をしており皮質で肉厚、裏側に反り返っています。花後に緑色の果実が成り、秋に黒熟します。

名前の由来はイヌツゲの葉を豆粒サイズにしたもの、ということから来ています。

<マメイヌツゲ(豆犬黄楊)  モチノキ科モチノキ属>
11/14 アンデルセン公園


沖縄を除く日本全国に分布するニシキギ科の落葉樹。山地や丘陵の林縁に自生するが、紅葉や個性的な果実を観賞するため、古くから庭木あるいは盆栽として親しまれてきました。

開花は5~6月。花は直径1センチほどの淡い緑色で、あまり目立たないものの1~7輪ずつ咲きます。雌雄異株であり雌の木には雌花を、雄の木には雄花を咲かせます。

秋(10~11月)になるとサイコロステーキのような四角い薄紅色の実が鈴なりになり、熟すと自然に四つに裂けて中から暗い紅色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。

果実は熟すと、四つに裂け、中からオレンジ色の種が顔を出します。この様子を繭(まゆ)に例え、繭実が命名の由来であるとする説もあります。

<マユミ(真弓) ニシキギ科ニシキギ属>
11/14 アンデルセン公園

メキシコ原産のキク科植物から品種改良された花です。品種は大きくフレンチ種とアフリカン種に分かれています。

5月~11月頃、独特な香りがする花を咲かせます。花色は黄、オレンジ、白、赤、複色など様々で、花の大きさは小輪から大輪まであります。咲き方も一重咲き、八重咲き、クレスト咲きなど多様です。

名前は、聖母マリアに由来します。聖母マリアの祝日に咲いていることから、「マリア様の黄金の花」(本種の名前)で呼ばれるようになりました。

<マリーゴールド キク科コウオウソウ属(マンジュギク属)>
11/2 近隣の畑

原産地は中央アメリカ〜アルゼンチン。およそ100種類が分布するとされています。春から秋にかけて長期間開花し、夏でもよく開花します。

花色は以前はピンクがほとんどでしたが、現在はさらに白や赤、白からピンクに変化するものなどがあります。

近年、サントリーフラワーズの「サン・パラソル」シリーズが普及したことで、「サンパラソル」という呼び名でも認知されるようになってきました。

<マンデビラ キョウチクトウ科マンデビラ属>
11/14 アンデルセン公園

日本の本州中部地方以西に分布する多年草です。草丈70~120cmになり、8~10月に花を咲かせます。環境省レッドリスト2017では絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。

生薬「サイコ」は本種の根で、サイコサポニンなどの成分を含み、解熱、解毒、鎮痛、消炎などの作用があります。

名前は、江戸時代から静岡県の三島地方で産出されるサイコの根が非常に良質であったことや三島がサイコの大集荷地であったことに由来します。

<ミシマサイコ(三島柴胡) セリ科ミシマサイコ属>
11/8 東邦大学薬用植物園


タデ科の一年草で、春にはほとんど目立ちません。夏にかけて地面を静かに匍匐(ほふく)するように枝葉を伸ばし、秋に入ると急に立ち上がって花を咲かせます。

ほのかなピンクと白のグラデーションがなんとも愛らしい花で、金平糖のようにみえるので、コンペイトウグサ(金平糖草)とも呼ばれます。

本種の名前は畑のソバに対して、水湿地の溝に咲くソバという意味で名づけられたようです。

<ミゾソバ(溝蕎麦) タデ科タデ属(イヌタデ属)>
11/4 つくば実験植物園


日本の野山に自生し、古くから和紙の原料として利用されてきました。春早くにポンポンのような花が木の先端に咲く落葉樹です。

早春に枝の先に花が咲き、その後に同じ場所から3本の枝が伸びます。そのため、枝は常に3本セットで先端が3つに枝分かれしています。この独特の枝ぶりから名がついたといわれています。

本種はは高級和紙の原料として利用されています。紙の原料として使われるのは樹皮です。日常生活で使う紙幣も本種を原料として作られているため、繰り返しの使用や、水濡れにも強いのです。

<ミツマタ(三椏) ジンチョウゲ科ミツマタ属>
11/14 あけぼの山農業公園


関東地方以西の温暖な地域に分布しています。地方によってはアケビともいいますが、アケビと異なり常緑性で、果実は熟しても割れないのが特徴です。

昔は不老長寿の果物とされ、毎年秋になると本種の果実が皇室へ献上されていました。今でもその習慣は続いていて、縁起の良い果物とされています。

葉は幼木のころは3枚、生長するにしたがって5枚、7枚と増えていくので、七五三の縁起木と言われています。

<ムベ(郁子) アケビ科ムベ属>
11/4 つくば実験植物園



秋の紫の実が美しい日本原産の落葉低木です。古くから山地の湿地や森林に自生しています。

花はいずれも淡い紫色です。じっくり見るときれいな色彩ですが、熟した果実に比べると目立たずやっぱり見劣りしてしまいます。開花時期は6月~7月頃です。

葉の色は実がなりだす初秋は緑、秋が深まってくると徐々に黄色く色づき、紫色の実との色合いがとても美しい光景です。その美しい実から英名ではJapanese beautyberryとも言われています。

<ムラサキシキブ(紫式部) シソ科ムラサキシキブ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

ユーラシア大陸が原産のマメ科シャジクソウ属の多年草です。わが国へは明治時代のはじめ、牧草として輸入されました。今では各地の道端や草地に野生化しています。

「シロツメクサ(白詰草)」よりも大きく、高さは50~60センチになります。5月から10月ごろ、茎の先の球状花序に、小さな紅紫色の花を咲かせます。別名で「アカツメクサ(赤詰草)」や「赤クローバー」とも呼ばれます。

本種の花は保湿効果、抗炎症効果、シワの抑制効果などが期待されており、スキンケア化粧品に配合されています。

<ムラサキツメクサ(紫詰草) マメ科シャジクソウ属>
11/2 近隣の路傍

東北地方南部以西の本州、四国及び九州に分布する日本原産の落葉低木。原種は山地や丘陵の疎林に自生します。本種の名は、枝を煎じて洗眼薬にしたことからきています。

園芸では、基本種の緑葉はほとんど用いられず、赤紫や黄金葉などの美しい葉色を楽しむカラーリーフとして利用されています。

花は非常に小さい黄色花。春から初夏に咲きますが観賞価値は低いです。実は、秋に赤く熟しますが、こちらも小さく観賞価値はあまりありません。

<メギ(目木) メギ科メギ属>
11/14 アンデルセン公園



中国南西部を原産とするスギ科(またはヒノキ科)の落葉高木。端正な樹形や四季折々に変化する葉色が美しく、各地の公園、庭園、街路などに植栽されています。

日本に渡来したのは1950年のことで、アメリカで育苗された100本の苗木が皇居を始めとした各地に配られたのがきっかけです。

中生代(約2億5,217万年前~約6,600万年前)から生きている植物で、日本をはじめ、北半球の各地で化石として発見されています。

<メタセコイア(曙杉) ヒノキ科メタセコイア属>
11/14 あけぼの山農業公園



7月~9月に大輪の花が開花する草丈が2m近くになる大型宿根草です。沼地によく見られることから、沼ハイビスカスの別名があります。

花は、近縁のフヨウやムクゲとよく似ています。一番簡単な見分け方は、葉の形です。本種の葉は掌状のモミジに似た形で、3~5裂に深く切れ込みがあります。

実はホオズキやフウセンカズラのような大きさと形をしています。蜘蛛の足のような細いガク片がユニークです。

葉は大きく5つに裂け(正確には3裂~7裂くらいまで差がある)、線の細いモミジ(カエデ)のような姿をしており、そこから本種の名前が付きました。

<モミジアオイ(紅葉葵) アオイ科フヨウ属(ハイビスカス属)>
11/15 北柏ふるさと公園



南アフリカ原産のアヤメ科モラエア属の多年草。草丈は50~60センチで、根際から生える葉は線形です。

開花時期は11~3月で、藤紫色を咲かせます。花被片は6枚で内花被片は立ち上がり、外花被片のつけ根の部分に黄色い模様が入ります。

属名のMoraea はイギリス人の植物学者「ムーア(R. Moore)さん」の名からきています。種小名の polystachya は「穂をたくさんつける」という意味です。

<モレア・ポリスタキア アヤメ科モラエア属>
11/4 つくば実験植物園

日本原産の常緑低木で、本州の福島より南~沖縄まで広く分布します。ヨーロッパには1838年に入ってきたという記録が残っており、今では世界で広く栽培されています。

冬、球状にまとまった白っぽい花がたくさん咲き果実が付きます。果実は翌年5月頃に黒く熟します。

漢字で書くと「八つ手」です。ちなみに「八つ」は数を表しているのではなく「多い」という意味のようです。

<ヤツデ(八つ手) ウコギ科ヤツデ属>
11/14 あけぼの山農業公園

荒れ地や道端に生える南アメリカ原産の多年生の帰化植物で、草丈が高く「三尺バーベナ」と別名がつけられていますが、はるかに大きくなります。

細い葉をヤナギに、上部にまとまって咲く花を花笠にたとえたものが、名前の由来になっています。観賞用によく栽培されています。

旺盛な繁殖力を誇る本種は、環境省が2015年に発表した「我が国の生態系に影響を及ぼすおそれのある外来種リスト」にもその名が記載されています。

<ヤナギハナガサ(柳花笠) クマツヅラ科クマツヅラ属>
11/14 北柏ふるさと公園


 

日本最古の観賞用花木あるいは代表的な茶花として知られ、江戸時代には本種とユキツバキを掛け合わせるなどして数多くの品種が作られました。

一般的には「ツバキ」と呼ばれていて、本種の呼び名は植物学上の名称です。単にツバキという場合は本種を示します。花は2月ごろから咲き始め、花径5~8センチくらいの筒状の5弁花を咲かせます。

実(果実)は、7、8月ごろから赤く色づき始めます。果実は蒴果で、果皮は厚く、中に大きな種子がはいっています。熟すと背が三つに割れて、硬い暗褐色の種がとびだします。

<ヤブツバキ(藪椿) ツバキ科ツバキ属>
11/14 アンデルセン公園

日本全土に見られるイラクサ科の多年草で、平地や低山の藪などで普通に見られます。

花の少ない晩夏から初秋にかけてクリーム色の長い花穂を出し、草丈も1m近くになるため、開花時期にはよく目立ちます。花らしくない花であり、観賞価値は乏しいようです。

カラムシと近縁で、和名はカラムシの別名であるマオに藪を冠したものです。かつてはカラムシと同様に茎の植物繊維から糸を紡いで布を織っていました。

<ヤブマオ(藪苧麻) イラクサ科カラムシ属>
11/4 つくば実験植物園


中国、日本原産で、キジカクシ科の常緑多年草です。藪や林内の日陰に自生します。 日本では一般家庭の庭で見られます。花名にランと付きますが、ラン科の植物ではありません。

初夏から秋に、藪で光沢のある細長い根生葉の間から、細い花茎を出し先端から穂状花序を伸ばし薄紫色の小花を多数咲かせます。

緑色だった実が、秋には黒色に変わり、日に日に寒さが増すごとに、一つ一つ実を落としていきます。1月に入っても残っている実は、光沢だけは秋と変わらず元気です。

<ヤブラン(藪蘭) キジカクシ科ヤブラン属>
11/4 つくば実験植物園

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「11月の花のアルバム⑨」25品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「11月の花のアルバム ➉(最終回)」に続きます。