5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。
宇多田ヒカル「何色でもない花」
本州の伊豆半島以西から四国、九州に分布する小型の多年草。海岸近くに生育することが多いとされ、沿岸の低地部に分布します。
5~6月、茎の先に花序を形成し、青紫色のかわいらしい花を多数咲かせます。葉には両面ともに軟毛が密生し、ビロード状の触感があります。
タツナミソウの仲間は姿形のよく似た種が多く、本種は比較的小型で葉長が1センチ内外、海岸近くに生育することなどが同定のカギとなります。
<コバノタツナミ(小葉の立浪) シソ科タツナミソウ属>
5/2 つくば実験植物園
関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布する落葉高木。日本の固有種で、特に太平洋岸の丘陵地や低地の湿地に多く自生します。
開花は4~6月で、直径1センチほどの小さな花が枝先で傘状に集まって咲きます。
花には甘い匂いがあり花の先端は5つに裂け、雌しべは1本。長い雄しべが5本あります。
名前の由来は、若い枝葉や樹皮にゴマの油のような香りがあるため。
<ゴマキ(胡麻木) レンプクソウ科ガマズミ属>
5/2 つくば実験植物園
北海道から九州までの各地に分布する落葉低木で、原野の水辺や山地の林内に多く自生します。モミジと並んで紅葉が美しいため公園等に植栽されることもあります。
開花は5~6月で、花は直径7~8ミリほどで黄緑色の花弁が4枚あります。早い場所では8月上旬から紅葉し、その色合いも鮮明であるためモミジに次いで美しい紅葉樹とされることもあります。
9~11月にはニシキギ、ツリバナ、マサキと同じようにオレンジ色の仮種皮のある果実ができます。本種の名前は、葉、果実及び樹高が、マユミよりも小さいことから付けられました。
<コマユミ(小真弓) ニシキギ科ニシキギ属>
5/2 つくば実験植物園
本種は地中海沿岸地方を中心に世界に200種余りが自生しています。形態は一年草、多年草、低木とさまざまで、つる性のものも多く見られます。
日本に自生種はありませんが、セイヨウヒルガオ(ヒメヒルガオ)などが帰化植物となっています。
ヒルガオによく似た、漏斗形の大きく開いた花を咲かせ、1花の寿命は2~3日くらい、雨天や夜間は閉じています。
ヒルガオ属では、萼のすぐ外側に大きな苞がありますが、本種は苞は小さくあまり目立ちません。
<コンボルブルス(西洋昼顔) ヒルガオ科セイヨウヒルガオ属(コンボルブルス属)>
5/22 あけぼの山農業公園
常緑の低木で、関東地方以西の本州のほか、屋久島に隔離分布しています。江戸中期に数多くの園芸品種が作出されました。
開花期は5月下旬から6月上旬で、ヤマツツジなどよりも1か月ほど遅く咲きます。
これらをおおまかに区別するために、4月から5月中旬に開花するものを「ツツジ」、5月下旬から6月上旬に開花するものを「サツキ」と呼び始めました。
<サツキツツジ(皐月躑躅) ツツジ科ツツジ属>
5/22 あけぼの山農業公園
低木の落葉広葉樹。ウツギの仲間はウツギと小型のヒメウツギ、マルバウツギなど日本に7種あります。
本種は花が八重咲きで外側が紅紫色になる変異種です。香りのよい花を下向きに付けます。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)です。
内側が白の八重咲きの色あいが、更紗模様に見えることから名前が付きました。
<サラサウツギ(更紗空木) ユキノシタ科ウツギ属>
5/22 北柏ふるさと公園
北海道、近畿以東の本州及び四国に分布する落葉性のツツジ。深山の林縁に自生します、花や秋の黄葉が美しく、庭木としても使われます。
花は先端が5つに裂けた釣鐘状。形はドウダンツツジに似ていますが、長さは1センチほどでより大きく、白地にピンクの更紗模様が入ります。
花の垂れ下がる様子を風鈴になぞらえた風鈴躑躅という別名があります。花が終わると柱頭(めしべ)は上向きになり、乾いた果実ができます。
本種の名は、花の模様を「更紗染め」に、葉柄や花柄の分岐の仕方を「灯台」に見立てたもの。
<サラサドウダン(更紗満天星) ツツジ科ドウダンツツジ属>
5/2 つくば実験植物園
南アメリカに分布するシソ科アキギリ属の多年草です。非常に強健で、暑い夏の盛りから秋まで花を咲かせてくれます。
最大の特徴は非常に濃い花色と、大きく口を開いた様な個性的な花の形(唇形)にあり個々の小花は長さが5cmと大きい所も魅力です。
日本ではメドーセージという名前で流通していますが、本来はサルビア・プラテンシスの英名であり、名前が間違ったまま国内に出回ってしまい定着したものと思われます。
<サルビア・ガラニチカ(メドーセージ) シソ科アキギリ属>
5/22 北柏ふるさと公園
ヨーロッパ、中央アジア原産。濃い黒紫の茎で、初夏から秋に長い穂を出し、青紫の小花を多数咲かせます。
初夏になると、株元から茎を立ち上げ、穂状の花序にサルビア類に多い唇形花の小さな花がびっしりとつき、花は下から上に向かって咲き進みます。
本種の名前は、もとの生息地の「森」を意味する「ネモローサ」に由来します。
<サルビア・ネモローサ シソ科サルビア属>
5/22 あけぼの山農業公園
原産地の北アメリカでは宿根草ですが、耐寒性がないため、日本では一年草として分類されています。
ラベンダーに少し似ている美しい青紫の花を長期間咲かせることからブルーサルビアとも呼ばれます。
白花や2色咲き種がありますが、大量に出回っている割には改良品種をあまり見ません。
花の美しさに加え、株がそんなに大きくならないこともあって人気があります。
<サルビア・ファリナセア(ブルーサルビア) シソ科サルビア属>
5/22 あけぼの山農業公園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「5月の花のアルバム⑥」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム⑦」に続きます。