Ninbuのスマホで撮った花だって美しい!

サイクリング・テニス・散歩等の道すがら、公園・野原・湖畔・川辺等で見つけた美しい花をスマホで撮っています。

卓球 中国だけがなぜ強い?

2021-08-08 | 日記
いろいろあったオリンピックも本日、全競技日程が終了しました。
日本は史上最多のメダル数57個(金27、銀14、銅17)を獲得するなど、参加アスリートたち全員が大活躍してくれました。

逆境の中でも最高のパフォーマンスを見せて感動を与えてくれた、全てのアスリートのみなさんには”感謝”の言葉を贈りたいと思います。

コロナ対策そっちのけで、日本選手の金メダル獲得を連日ツイッターで祝福、一人はしゃいでいた「どこかの国の首相」には”馬鹿”という言葉を贈ります。(笑)



卓球は約30年前の1988ソウル大会からオリンピック正式種目となりました。
男女シングルス、男女ダブルス(2008北京から廃止)
男女団体(2008北京~)、混合ダブルス(2020東京~)

1988ソウルからの卓球金メダルの国別獲得数を見れば中国の強さが一目瞭然です。

<オリンピックでの卓球37個の金メダルの国別獲得数>
中国    33個(金メダル総数の89.1%)
韓国     2個(1988ソウル 男子シングルス、女子ダブルス)
スウェーデン 1個(1992バルセロナ 男子シングルス)
日本     1個(2020東京 混合ダブルス)

ではなぜ中国の卓球だけが圧倒的に強いのか、調べてみました。
例によって撮りためた写真を挟みながら考えてみたいと思います。

<東京オリンピック卓球混合ダブルス金メダリスト 水谷隼・伊藤美誠>


【一番大きな要因は、小さい時から強くなるためのシステムが構築されていること】
中国は卓球の競技人口が3,000万人以上いると言われています(日本は推定30万人)
小学校から毎日練習をして、そこで成績を残せばジュニアナショナルチームに。

さらにそこで活躍すればナショナルチームのトップにというシステムで1年中卓球に専念できます。中国では子供であっても卓球が強ければプロと同じような待遇をされます。子供のときから卓球への意識が世界の国とはかなり違っているわけです。

<アイイロニワゼキショウ あけぼの山農業公園>


中国には31の省があって、それぞれ40人ぐらいの男女のプロ選手がいます。
よって中国全土で1,200人を超えるプロ選手がいることになります(日本は30~40名)

1200人の中には伊藤美誠クラスの有望な若手が数百人は常にいるそうです。さらにその中から選ばれたトップ40人だけがナショナルチームに行けるシステムです。

<アスター(エゾギク)柏の葉公園>


【二つ目の要因は国の徹底したサポート体制】
中国では卓球が強くなればなるほど国から沢山の支援や報酬を受け取ることができ、世界チャンピオンになれれば一生、生活が保証されるといわれます。

今回の東京五輪の女子シングルス決勝で、伊藤美誠選手を破った中国の19歳、孫穎莎選手が1億1000万円相当の「豪華な家、高級車、賞金を受け取る」とのニュースが先日報道されました。   ここをクリックすると記事が読めます ↑ ↑

選手は「なんとしても卓球が強くなって良い生活がしたい!」とモチベーションが上がっていくので、厳しい練習やトレーニングもガンガンこなしてうまくなるわけです。

<アリウム・クリストフィー 山陽メディアフォーラム>


【三つ目は技術面でのサポート体制の充実】
中国では他国の選手の持っている技術などを徹底的に研究しています。
ITTFプロツアーで中国選手が出場しない時でもスタッフが現地に行って試合を撮影しています。それを研究して、他国のエース級の選手と全く同じスタイルの選手(コピー選手)を育成し、練習相手として対策を練ります。

<コウホネ 万葉植物園>


またオリンピックや世界選手権が終われば、協会の首脳陣が集まり、今回の反省と世界のプレーの傾向、対外の有力選手の分析などを細かく行った上で、今後の強化方針を決定します。この強化方針が、ピラミッドの下辺まですぐに行き渡ります。

<グラジオラス 我孫子市民農園>


【四ツ目は徹底したフィジカルトレーニング&メンタルトレーニング】
中国のトップ選手の体を見ると、ボディビルダーを思わせるような肉体になっています。筋力があればあるほど速く強い動作を繰り返しできるようになります。
素早い動作とパワーが要求される卓球では筋力があったほうが断然有利です。
また、軍事訓練に参加して厳しい環境でのトレーニングを積んでメンタルを強化しています。

<セイヨウアサガオ あけぼの山農業公園>


【五つ目は世界チャンピオンが中国からたくさん輩出されていること】
中国選手の周りは「現・元世界チャンピオン」だらけなのです。
子供の時から「練習に励んで国内で勝てるようになれば世界チャンピオンになれる」
というイメージが持ちやすいのではないかと思います。
世界チャンピオンが身近にいないと、いるのとでは意識の差が全く違います。

<セイヨウシャクナゲ 山陽メディアフォーラム>


中国は卓球に対して他国と比べ、”人””モノ””カネ”の全てで桁違いに大きい国です。
そんな中国の政治体制が変わらない限り、どこの国も勝てないのは当然かもしれません。私見ですが、今後20~30年卓球で日本が中国を凌駕することはないと思います。

<シモツケ 自宅庭>


日本が世界の卓球界を中国に代わって席巻するという実現困難な目標を掲げるよりも、福原愛、伊藤美誠、水谷隼、張本智和のような5~10年に一度しか現れない天才卓球少年少女の出現を待ち、今回のオリンピックのように勝てそうな種目にフォーカスして、中国選手を破って溜飲を下げたほうが現実的な選択かもしれません。