聖なる国 日本

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スサノオⅧ.「津波ライン」宮城県〜岩手県

2022-07-05 | スサノオ

今回の週末は、東北の津波ラインのスサノオさまを周ってきた。

東日本大震災の津波で、スサノオを祭る神社はみな被災を受けなかった事から、

災害時に安全な場所に祭られていたことが明らかになった。

宮城県から岩手県沿岸の『八坂神社』『八重垣神社』『八雲神社』『熊野神社』

などスサノオ様が祭られている沿岸部の神社を周る旅。

 

【八重垣神社】宮城県山元町高瀬


創建 807年
ご祭神 神速素戔嗚命

1409年に藤波尭雄が、伊勢神宮に詣て神祇官より素盞鳴尊の神璽を頂いてきたという由緒がある。

 

鳥居


11年前の津波では、スサノオさまを祭る神社は被災することが無かった。
一番多く被災したのは、天照大神を祭る神社だったという。

スサノオ様を祭る神社は、津波の到達しないギリギリの場所に祭られていて、
過去、貞観津波(約千二百年前)、慶長津波(約400年前)の巨大津波を体験した先祖の方々はそれを標すため、

後世へとスサノオさまを祭る神社を目印に残してくれていた。


ただひとつ、、


こちら亘理郡山元町は平地が広く海岸から高地までかなり距離があり、実はスサノオさまを祭る神社の中で唯一、津波被害を受けた神社だった。

海沿いに延々と田園風景が広がる。

高瀬という地名どおりこのエリアの中では高い場所だったようで、正面からの津波は免れた。

しかし、両側の低地から水が襲ってきて被害を受けてしまったという。

広い平野の中でも、水害を回避する可能性がある場所を選らんで祭られていた事が偲ばれる。

 

以前、山元町の知人が
名物の『はらこ飯』を食べながら後日譚を話してくれた事があった。


スサノオを祭る神社が、

全てぎりぎり津波が到達しない場所に祭られていた


「スサノオの津波ライン」が知られる中で、

唯一被災した神社があった山元町だが、

二年後に、

その時に流されてしまった神輿が流れつき戻ってきて、涙したという。

 

スサノオ様を祭ったご先祖さまと、

山元町との繋がりを感じずにはいられない神威に震えた。

 

復興した八重垣神社は、全国の方々の協力による植樹で大切に囲われていた。


※八重垣(=八重に囲い大切に守る)

スサノオ様が、詠んだ我国最初の和歌
『八雲立つ 出雲八重垣妻籠に
八重垣つくるその八重垣を』

社殿は6年半かけて再建された。

今年も、7月末に神輿を海の中まで担いでいく例祭が行なわれるという。



【八雲神社】亘理町逢隈牛袋天王

創建807年 坂上田村麻呂の創建

牛頭天王社といい、明治の神仏分離令で八雲神社となり『神速須佐之男命』を祭る。

 

他の、スサノオ様の津波ラインの神社も周ってみたが、

本当にここが?!と、、思うほど

平坦な場所、海岸線に近い場所に祀られていた。

津波の被災エリアに近い場所で、よく安全な場所があったなと驚かされる。

しかし、ぎりぎり被災を免れていた訳で、

避難場所としてのスサノオ様の神社の在り様にただただ、感心した。

 

山本町・亘理のこの二社に続き、宮城県・岩手県を周らせてもらった。

津波ラインの話題となった、東京工業大学大学院の論文

東日本大震災の津波被害における神社の祭神とその空間的配置に関する研究

で挙げられていたスサノオ様を祭る神社を巡る旅。

 

①宮城県仙台市若林区今泉【八坂神社】

②岩手県大船渡市大船渡町猪頭【八坂神社、熊野神社、加茂神社】

⓷岩手県大船渡市赤崎町跡浜【八坂神社】

④岩手県大船渡市末崎町双六【八坂神社】

⑤岩手県陸前高田市気仙町【八坂神社】

 

 

【八坂神社】仙台市若林区今泉

住宅街の中にある小さな神社

 

 

 

隣にある観音堂と春日社

 

『八坂神社』だか、拝殿には「熊野神社」「八坂神社」とが掲げられていた。

今泉城跡とあり、かつては交通や地政的な要衝の地であったことが伺える。

それにしても、、ここが?と驚くほど平地に祭られていた。

 

 

【八坂神社、加茂神社、熊野神社】岩手県大船渡市大船渡町

中央の加茂神社の左右に、八坂神社と熊野神社が鎮座する。

 

加茂神社の向かって右に祭られている

『八坂神社』

 

『熊野神社』

 

熊野神社からの海

 

湾に近い高台に祭られていた。

 

岩手県は熊野神社が多い。

北の都『奥州平泉』の藤原氏によって熊野信仰は更に拓かれた。



 

 

【八坂神社】岩手県大船渡市赤崎町跡浜

 

 

 

狛犬さんが、、

黄色い布を使い表情が豊かでした。

 

地元の方のお話しでは、神社の石段の下まで水没してしまったという。

 

【八坂神社】岩手県陸前高田市気仙町双六

 

 

 

 

 

 

【八坂神社】岩手県陸前高田市気仙町

 

景勝地 『碁石海岸』の近く、海辺の高台に鎮座されている。

 

 

 

 

 

 

 

スサノオ様を祭る神社は

熊野神社(熊野系
八坂神社(祇園系

八雲神社、八重垣神社、須賀神社など出雲系の神社が

沿岸部に祭られていた。

 

河川流域に比較的多い、「氷川神社」は河に祭られるスサノオ様だけあってか全くなかった。

スサノオ様が鎮座する神社が津波の被災を免れたのは、

過去、津波を経験したご先祖さま達が、

回避しうる場所にあえて祭っていたからだが、

他には、八幡様も多くが津波の被災を免れた。

 

一方で、稲荷神社は被災が多かったという。

 

ご祭神は、稲倉魂命や豊受大御神など
稲作農業や殖産に関わる神様で、
生活に密接した存在だけに、生活の場であれば必ず何処にでも祭られていて
日本一多い神社だ。

 

生活の場の稲荷神社と

避難場所のスサノオと

神様のご神徳の特徴による空間的配置がされていたことがうかがえる。

最も、津波の被災を受けたのは天照大神を祭った神社だったという事だが、

国家祭祀の神様だけに、鎮座地も含めてこうした庶民生活とは離れた存在であったからという事もあるかもしれない。

が、

何故、天照大神を祭る神社が最も津波被災を受けてしまったかという、
空間配置や地域性のことよりも、、

何よりも、天照大神をお祭りする


【五十鈴神社】が多いことに驚かされた😳

宮城県石巻を中心に、岩手県陸前高田市まで沿岸部に集中して祭られている。

天照大神を祭るのは、

『神明社』や『神宮』が多く、

『神社』として祭っている五十鈴神社はどちらかというとマイノリティだ。

たまに見かけると珍しいと感じるが、

こんなに沢山まとまって鎮座されているのはびっくり珍しい、、😮

(もしかすると、五十鈴神社の密度日本一のエリアかもしれない🤔)

 

話しはそれますが、「標」という地名は津波がきたことを標す意味でつけられていた地名だが、その地名が変えられてしまったり原発が造られたりしてしまった事は残念という他ない。現代の私達が活かせなければ、先人たちの苦労も水の泡だ。

 

地域にとっての神社は、信仰の場・祭祀の場というだけではなく、

時代を超えてコミュニティに存在してきた無類の価値がある。

 

現代でも都市計画デザインに求められる様な

永続性、公共性、環境性、そして景観も全て兼ね備えている。

神社には杜があり、集会所があり、保育園や幼稚園があり、そして消防団があり、お祭りがあり、

地域の人々の交流や危機回避、生活や文化と密接した関係の中に存在している。

 

津波の被災は無かったものの、地震により倒壊した神社もあった。

 

論文では、

避難所として公共的役割を担っていた神社などが、政教分離の考えから公的支援を受けることができないという問題が指摘されていた。

 

1000年以上の長期的な時間軸から自然災害の歴史を伝え、

かつ地域の防災拠点として機能する、その神社空間を維持し

地域マネジメントを実施する上で

どのようにその意味を共有していくか、

『神社空間が大規模自然災害のリスクマネジメントにおいて重要な意味を持つのは、祭事などを通して地域の人々の意識と記憶に深く根ざす可能性があるからである。

今後は神社などの宗教空間をどのように位置付けていくかということを検討しなければならない。

伝統的にコミュニティの中心に位置し地域社会の精神的支柱となってきた神社空間を地域の重要な共有資源として捉え直すことが求められている』

と、結ばれていた。

 

学術的だが、丁寧に言葉を選らんで表現されている様で、

地域の神社の様子や歴史が浮かび上がり、偏見の無い

その抽出の見事さに敬服した。😮🙏

 

 

私は、被災地に行くと或いは画像を見ただけで、涙が止まらなくなることがある。悲しみが伝わってくる様で、、


(エンパスか😔)

福島に白鳥監督の『蘇生Ⅱ』を観にゆくというツアーに行った時は、上映中ずっと号泣していてスクリーンは殆ど見えなかった。


今回はそれほどに泣かずにいられた。

「以前とは、変わりました」

と言う、地元の方の言葉には

悲しみをこえてきた思いも

感じた。

また今度、

地域の人々と共にある


スサノオ様をお参りしてみたい。

その土地その土地の人々と、

スサノオ様の神話は続いている。

 

 


△▼△▼△▼△▼△▼△

こうして、ブログで神社巡りを沢山書いていますが全くの無宗教で😅🙏

特定の神道や仏教を信仰していることはありません。

しかし神社、或いは神様には、


教義や信仰以前に深い繋がりがある気がする。


私には、

祖父が二人いて(当たり前だ😅)

一人は、宮大工さん
一人は、的屋さん、、

往時あった事はないが、祖父どちらも
神社に関わりがある仕事をしていた様だ。

神社には、本当に多様な繋がりがある。

初詣やお祭りに行ったことの無い人はいないと思うが、その様に
当たり前すぎて逆に忘れてしまっている繋がりを思い出させて貰えた。

 

✨聖なる国 日本 と神社⛩️✨

来週は、いよいよ出雲のスサノオへ⛩️

 

行けるのか?!😂多動人の私は、よく動く、、🛸



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