
巳年🐍古代ミステリーシリーズ
今回は地の神ヘビが、虹をかけるお話し。
日本だけでなく、
古代東アジアより広く伝わる蛇伝承です。
虹と蛇
【高句麗の蛇と龍】
約2000年〜1300年ほど前、
中国北東から北朝鮮の辺りに、
平壌を都とした「高句麗」と言う国があった。
高句麗には「龍神」と言う様に
神格化されてない「龍」が存在する。
高句麗の信仰では、
『始祖』(先祖崇拝)、
『社稷』(土地・穀物)、
『霊星』を祭っていた。
そして、
高句麗信仰での『龍』の概念は、
「地上の蛇」と「天の星」と
で成り立つと言う。
いったいどう言う事だろうか?
蛇と星、
この様なミスマッチとも思える組み合わせで、『龍』となる理由を
少し探ってみたい。
龍は、通常は農耕民族の『雨乞い』等と結びつけて考えられ、日本では水神が龍神に変えられてしまう事も多かった。
高句麗で祭る、天の星=霊星と
地上の蛇は、農耕信仰だが水の神ということではないようだ。
高句麗の霊星とは、
乙女座 の一等星「スピカ」の事で、
ギャリシャ語で=「麦穂星」と言う意味。
(乙女座=豊穣の女神デメテル)
最も輝いてる星がスピカで、
ギリシャ神話では大地と豊穣の女神デメテルが左手に持っている麦穂であり、
西洋の神話においてもスピカは麦作の農耕信仰の対象だ。
スピカを高句麗では霊星「天田星」と言い、
やはり同様に田を象徴している農耕信仰の星だ。
西洋東洋ともに同じ星を農耕信仰の対象にしているのは、
スピカと言う星の観測期が春と秋であり、種蒔と収穫、春分祭・秋分祭に見られる星だからと考えられている。
ではその
天の農耕の星と、
地上の蛇の関係が、
『龍』とは
いったいどう言う事だろうか、、
【日本古来の伝承の蛇と虹】
あまり知られてない様だが実は、
日本の蛇神信仰では
蛇は地の神、池の神であり、
虹🌈をかける。
虹が出ると、「蛇が出た」と言う地方もあり(大分県)、
(虹と蛇🙄字も似ている、、)
田畑の開墾の為、土地を分けて貰う時は土地の神である蛇神様に声かけをしていた。
こうした日本古来の蛇神信仰は、
伝来仏教の龍神信仰などへ置換えられていくと、自然と姿が見えにくくなってしまったが、人々の間には、
カカ、ハハ、ヘミ、ミズチ、など蛇を表す古い信仰の言葉が残されてきた。
そして、
虹🌈は「蛇が吐く息である」と言う伝承が日本各地に残されていて、
蛇が棲む池から虹が出るとも云われてきた。
(虹の袂には蛇がいると信じられた)
日本古来の蛇神信仰🐍では、
虹🌈とは、蛇が起こす現象なのだ。
古代中国では、
『虹』の虫とは=「蛇」を表していて
工は「貫く」と言う意味があり、
蛇が天を貫くことで虹が現れ、
龍になるとされていた。
古代中国の信仰では
虹は、蛇が龍になる時の現象らしい、、
高句麗の龍も同様に、
『神』として神格化された存在ではなく
地の蛇、天の星との間で
起きる現象のことが『龍』🐉なのだ。
そして
地の神である蛇と、
天の農耕の星が結びつき起こる現象とは、豊作の事だ。
龍神様に祈り豊作を願うと言う様に
神と言う対象化ではなく
豊作という現象自体が、
『龍』の存在そのものを現していた。
伝来仏教の様にな『龍神』より、
神格化されてない
現象化の『龍』の方が、
古来より伝わるリアルがより感じられる。
龍は龍であり、
龍神でも蛇神でも無い。
『龍』と言う現象なのだ。
むしろ、その様に龍に発願した方が、
結びつきも強く
ご利益もある気がする、、🤔
【地の神ヘビ】
蛇神シリーズでは今まで
南方の稲作農耕の守り神『キングコブラ』を蛇神として畏怖する話しが続いてきたが、
今回は初めて、
コブラが存在しない北方の
農耕信仰の蛇神に触れた。
中国東北〜朝鮮半島〜日本列島まで
🐍蛇は、
土地の神であり、
天と地を結ぶ虹🌈は、
地の神の蛇が出すと言う事、
そして、
蛇や虹を指さす事は忌むべき事であると言うことは、
東アジアのみならず、
広く世界の人々に信じられてきた。
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いわゆる
「地母神」と言われる女神👰
日本神話のイザナミ、
ギリシャ神話のデメテルなど、
神話の神々たちの前ではやや影が薄いが、
地を這う蛇こそが、
「地の神」であり、
空に虹をかけ天地を繋ぐ存在だった。
そこには、神話や宗教もなく
言い伝えにより、ただ
そう信じられてきた、
人々の
信仰心によって伝承されてきた
類稀な神だ。
蛇🐍と虹🌈
おそらくは
後世の歴史家や宗教家が考えたイメージである
「天神地祁」「地母神」
「脱皮する蛇の死と再生を信じた」
「蛇行する蛇を蛇行する河と重ねた」
など、
巷で飛び交う言葉達に埋もれてしまった
蛇神の本来を、
ようやく掘り起こせた気がする。
✨✨✨✨✨✨✨✨🌈
長い話しをお読み頂きありがとうございました。