お盆休み後半、良い天気でしたね。お出かけになった方も多かったことでしょう。
私はと言いますと、仕事を前倒しするために金曜までは半徹夜の連続。
おかげで毎朝5時にコーヒー飲んで一服し、庭の朝顔の観察が出来ました(笑)
頑張った甲斐あって土日はめでたく、家族で遊びに行くことができましたよ。
小学生の夏休みと言えばお約束の自由研究。
チビももう6年生なので、それなりにバシッとした自由研究をやりたいらしくて、
今年選んだテーマは「鉱物の研究」。
ひとり図書館で大人向けの鉱物図鑑や地質学の本を借りてきて頑張っていたので
ここは父ちゃんも一肌脱がねばなるまい!
夏休みの自由研究の取材+家族サービス+涼しい場所の一石三鳥を満たすには?
栃木県ならもう、あそこしかないでしょう!
…という訳で三人で行ってきました足尾銅山。
足尾観光からトロッコ列車に乗って採掘現場の見学。
坑道に入ってすぐ列車を降り、後は徒歩で好きなだけ見学できます。
見学コース以外は鉄の門で固く閉ざされ、入る事はできません。
それもそのはずで、この廃坑は迷路のように入り組んで山中を走り
坑路の全てを合わせた全長はなんと1200km!
これって栃木⇔大阪ドライブの往復の距離じゃないですか…
知らずに迷い込んだら二度と出られない本物のラビリンスです。
それにしても凄い距離ですね。
人間の持つ欲望エネルギーと業の深さを実感します。
坑内のあちこちに、こんな感じで人形が置かれていて採掘の様子を再現してます。
江戸時代の手掘りから明治になって機械化された採掘まで、
見ているだけでも楽しめます。
人形を用いた展示は、観光地化された歴史資料館なんかでよく見かけますが
ありがちなチープ感がまったく無くて、良くできてます。
じっと見てると、本当に江戸時代の採掘現場にタイムスリップしたような
不思議な感覚に捉われますよ。
坑内の撮影は、カメラ性能もテクニックもほとんど限界でした。
フラッシュはなるべく焚かないで見た目に近い色彩を撮影するのが身上ですが
坑道内は予想以上に暗く、感度は常にISO1600固定。
絞りもほとんど開放F2.8。それでも場合によって1/10秒以下のスローシャッターに
なり、手ブレ防止機能に頼りっぱなしの手持ち撮影とあいなりました。
坑道出口付近に居た女性の人形。
リアルです…好みのタイプです…人形なのに…
かみさんが隣にいるのに惚れてしまいそうです~。
あ、決して熟女マニアとかそういうんじゃないですよ(笑)
精錬所のジオラマ。
渡良瀬川の上流にある実際の精錬所を忠実に再現しています。
こちらがジオラマのモデルになった精錬所。
今は閉鎖されて廃墟になっています。
こうして改めて見ると、田中正造が闘った相手はあまりにも強大だったんですねえ…
この精錬所の廃墟感…素晴らしい被写体だったのでもっと撮影したかったのですが
今回は家族サービスの為、早めに切り上げ上流の親水公園へ。
という訳で、ここからは冬に撮影した写真です。
今年の冬、ニホンカモシカの撮影に来た時に撮影しました。
3連の処理液貯蔵タンク…上のジオラマにも再現されていますね。
渓谷の対岸に現れるその威容はまるで要塞のよう。
この廃墟感…たまりません。
緑が生い茂る夏も、荒涼とした冬も絵になります。
今年の冬はまた、カモシカと廃墟撮影にチャレンジしたいですね。
山の治山事業やあちこちに保存されている廃墟など、今も足尾鉱毒事件の爪跡と
成長期の日本を垣間見る事ができる貴重な歴史遺産。
世界遺産登録への動きもあるようですし、他にも鉄道写真家の間で有名な
渡良瀬渓谷鉄道もあって、見ごたえ抜群な隠れ観光スポットです。
足尾銅山観光HP
http://www15.ocn.ne.jp/~ashiokan/doukan/doukan.htm
機会がありましたらぜひ、実物を自分の目で確かめてみてください。
大人も子供も、きっと得る物があると思います。
それではまた。