日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 古宇多 Kouda Katana

2016-04-15 | 
刀 古宇多


刀 古宇多

 時代の上がる宇多の特徴がみられる作。宇多派は大和国より移住した國光に始まる。高い技術を保持した刀工で、大和物より山城物に見える作品も遺している。だが、無銘物の鑑定は大和風を強く示したところを見極めるようだ。初代が鎌倉後期の文保頃と言われているが、この頃の作品はみられないようだ。二代と言われているのが南北朝初期の工で、これが鎌倉末期から南北朝前期にかけて活躍したと考えていいだろう。大磨上無銘のこの刀が良い例で、造り込みがこれに相応している。地鉄は板目に柾目が強く交じって肌起ち、地沸が付き地景が顕著。則重を見るようである。時代的に越中の先達則重の影響を受けていると考えられている。だから則重風の作をこれに極めることがある。とにかく凄みがある。刃中は沸が強く激しく乱れ、金筋を伴う沸筋が層を成し、地刃を横断して働く。一般的に宇多派は、室町時代に量産したことから実用鍛冶とみられ、一段低く考えられがちである。決して技量が劣るわけでもないのにかわいそうな存在である。それが故に、この地刃の面白さを知る者は、比較的安価である点にも魅力を感じ、値の上がらないことを願っているそうだ。



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