日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 同田貫 Doudanuki Katana

2017-09-21 | 
刀 同田貫

 
刀 同田貫

 元来は寸法が長く、身幅広く重ねの厚い豪快な刀。磨り上げられて無銘。総合的な出来から同田貫派の作と極められている。同田貫派というと、戦国期の実戦武器という印象が強く、大身槍や大薙刀が思い浮かぶ。刀も応じてがっちりとしたものを製作しており、頑強な鉄製の具足や兜に対する武器、即ち堅物斬りの印象がある。ところが同田貫派の作は斬れ味が良いことも知られている。劇画の題材にとられる理由も良く判る。折れ難さを追求すると、柔軟性が高められて斬れ味が劣るような印象があるも、同田貫鍛冶はそれを払拭した。この同田貫極めの刀は、地鉄は板目肌が強く現れて地沸が付き、映りが立ち、刃文は湾れ調子に沸が深く付き、刃中に砂流し、金線、沸筋が盛んに入る。刃文が判らないような乱れ方をしている。これが同田貫派の特徴なのかというと、実際には刃文構成が多彩である。直刃調、互の目や丁子が顕著な刃文、匂口が明るく冴えた刃文、逆に匂口が沈んで焼刃があるのかわからないような出来もある。




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刀 長浜住正廣 Masahiro Katana

2017-09-21 | 
刀 長浜住正廣


刀 長浜住正廣天文十三年

 戦国時代の石州長浜住人正廣の刀も珍しい。作風は、備前の影響を強く受けているとみられ、板目鍛えの地鉄に直刃出来。刃中は匂に小沸が交じり、刃境がほつれ、ごく淡い足が入る。物打から特にほつれが強まり、清光に見られるように浅く乱れ、これが焼崩れた帽子にまで連続している。作品を多く見たわけではないので、これが正廣の主たる作風であろうかは断言できないが、備前刀の影響を受けていると捉えれば、大きく見違えることはないだろうと思う。
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