昨日、ホワイトアウトを読み終わった。間にライティング技術に関する他の本を2冊くらい読んでいたので、読み終わるのが遅くなってしまった。
なるほど、人が面白いというのもよくわかる。特にエンディングが素晴らしい。
ただプロットは、特に変わったものではなく、昔からよくある手法である。面白さというのは、驚くことにほとんど同じようなパターンである。
「喪失・傷」から「奪取・回復」。
親友を助けることが出来なかったことで精神的傷を負う。同じ状況で、親友の恋人を助けだすことによって精神的傷を回復する物語である。
動機が健全であること、自分の力で傷を回復すること、にカタルシスがある。動機は親友を助けることが出来なかった自責の念であり、回復は困難を乗り越え彼女を自分の力で助けることができたことである。決定的に重要なのは自己回復である。
傷を自己回復するのではなく、他人にどうにかしてもらおうとすれば、その傷は被害者意識に変わる。傷の回復が権利主張になる。何とかしろと子供のように駄々をこねる人を見かけるが、あれである。ただ、この人が本当の意味で自己回復することはない。
喪失から回復の物語が繰り返し読まれるのは意味がある。困難を乗り越え回復する主人公に自己投影をしているのである。
そのような物語の主人公に自己投影できる人は、傷を負った時、自分の手で困難を乗り越え回復する道を選ぶだろう。
時間がなくなってきたので、この辺でやめる。続きはまた今度。
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