フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

消費の時代から節約の時代

2011年07月28日 08時56分14秒 | 社会・政治・思想哲学

 産業革命前と現代の人口を比べると、現代のほうが10倍多いとのことだ。それには科学や医療の発展などのいろんな要因があるだろうが、一番は石炭・石油という化石燃料のエネルギーの効率が圧倒的にいいからである。それによってこれだけの人口を養っていけるのである。その化石燃料をバカスカ使える私たちは奇跡的ともいえるくらいにラッキーな時代に生きていることになる。
 しかし、この化石燃料もいつか無くなる時がくる。武田先生は1000年といってるし、私がアップした動画の中では200年といっている。どちらにしても私たちが生きている間には無くなりそうにはない。だから、日本が衰退し多少貧しくなったとしても、生きている間は化石エネルギーの恩恵を受けることができ、豊かな生活ができることにはかわりがない。
 圧倒的な効率を誇る化石エネルギーを使って安いコストで物がつくれる供給過剰な世界では、消費をすることが推奨される。どんどんを無駄に物を消費したほうが経済が発展する。消費をすればするほど利益がでる。ただ、このようなやり方は私たちの本能と反する。日本人は長い間自然を破壊しないように少ないエネルギーで生活してきた。そしてその知恵が蓄積されている。この知恵は資本主義的消費社会と相容れないのだ。私はどうしてもその無駄遣いが暗黙的に賞賛される感覚に馴染めず、資本主義はおかしいのではないのかと密かに思っていた。どうやらその感覚は正しかったようだ。なぜなら、長い人類の歴史の中で今の化石燃料使い放題の時代は特殊で長続きしないことが、改めて分かったからである。いつか、消費が縮小しなければならない時代が必ずくる。西洋型の圧倒的なエネルギー効率を背景とした文明の終わりである。その時に、日本や中国のような少ないエネルギーで人々が共存していく昔ながらのやり方が注目されるだろう。しかし、その知恵も長い消費の時代のせいで、忘れ去られていくかもしれない。

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