旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

次の北国行きで≪後編≫ 奥羽本線を完乗!

2019-12-15 | 呑み鉄放浪記

 奥羽本線を往く2日目は、10:57、昨夜の雪が残る秋田駅を出発する。 

 

駅のコンコースには、なまはげ、竿灯に加えて「秋田犬」のオブジェも仲間入り。
ロシアの金メダリストにプレゼントした頃から脚光を浴びている様な気がするね。 

5番手の1651Mはやはり旅情のないロングシート、追分を過ぎると車内も閑散とする。
むかしの「こまち」と揺られること1時間、列車は終点の東能代に到着となる。 

 五能線が分岐する東能代は広い構内に転車台が残り、かつての賑わいが想像される。 
この駅裏に大盛りで有名な田舎食堂があると聞いて訪ねた。営業時間は11:00~13:00だ。 
店には入れたものの1時間待ちと云われて諦める。調理が追い付かないらしい。
割烹着の婆ちゃんが二人で奮闘する素朴な「中川食堂」には必ず再訪したいと思う。
お元気でいてください。 

仕方なしに駅に戻り、KIOSKで "比内地鶏の鶏めし" を求め、待合室のベンチで食す。
鶏肉の煮汁で炊いたご飯、鶏の塩焼きがのって案外美味しい。
茄子の田楽やら、がんもどき煮やら、付け合わせも缶ビールのお供になるね。 

地吹雪の中、次の北国行き1657M弘前行きがやって来た。この旅6番手のランナーになる。
期末試験の頃だろうか、鷹ノ巣・大館では真昼の列車が高校生で満員に、熱気で窓が曇る。 

 14:01、弘前着。冬至へと向かう北国の日はすでに弱々しい。 
駅ビル内の観光案内所、弘前城へは「土手町循環バス」って100円バスで行けると教わる。  

弘前城本丸は石垣の老朽化による修理工事中。
本来、石垣の上にそびえる天守は曳屋を行い、2015年から仮天守台に移動している。
弘前城天守が本来の位置に戻るのは2023年、その時こそは桜の頃に訪ねてみたい。 

木造洋風3階建、八角形の双塔、ルネッサンス様式の旧弘前市立図書館が美しい。 
明治39年の建築だそうだ。屋根の「紅」は津軽のりんごを象徴しているのだろうか。 

16:16発、665M青森行きが、この旅のアンカーになる。
西空は厚い雪雲、ほどなく日没、何れにせよ津軽富士はその秀麗な姿を見せてくれない。 

凍てつく5番ホーム、やはり青森駅は雪の中だ。乗客は足早に暖が取れる駅舎へ向かう。 

 

駅から直ぐの「お食事処おさない」を訪ねる。
陸奥湾産の新鮮な、ほたて料理をご賞味ください。ってのがこの店のキャッチコピー。 

 

いきなり看板メニューの "ほたての貝焼きみそ"、青森の郷土料理だ。
一口大に切った貝柱とネギを、溶きたまごと味噌で煮る。うにのトッピングが嬉しいね。
甘味のあるホタテとふんわりタマゴをふはふはと、美味しくいただいた。

 

酒は地元青森、西田酒造店の "田酒 特別純米酒"、旨口コク有りの食中酒だ。
そして "生姜味噌おでん"、生姜を入れた味噌だれをつけて、温まる一品なのです。

 

津軽の郷土料理 "けの汁" は、野菜、山菜、油揚げ、凍み豆腐などを煮込んだ汁。
主に小正月に食されたと云う。当然に二杯目は津軽の酒を択ぶ。
三浦酒造の "豊盃 特別純米酒" は、青林檎系のフルーティーな立ち香が愉しめる。
奥羽本線の旅を終え、ほろ酔いで店を出る。いつしか雪は止んでいる。
桟橋にはライトアップされた八甲田丸、この青函連絡船が海を滑ることはない。
明日は青函トンネルを潜って北の大地へと渡る。

奥羽本線 福島~青森 484.5km 完乗

さよなら / オフコース 1979



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