家庭菜園でも、一作毎の耕耘を全くの手作業で行うのは、その広さにも依りますが、かなり骨が折れる仕事です。掘り起こす深さや土質で作業の容易さは大きく違って来ますが、何と言っても年を取ると負担の大きい重労働となります。
拙宅の外房の菜園の広さは50坪程にしているのですが、後期高齢者となると、何分身体各部の運動器の機能低下が著しく、僅かな掘り起し作業でも鍬やスコップでは直ぐに疲労困憊し、休みの繰り返しが多くなって全く捗らず、気力だけでは年齢に勝てません。それで、昨秋に思い切ってミニ耕運機の購入を決めました。
―2月19日付け東京新聞記事ーより
こんな私事の話、披露するのも恥ずかしいのですが、実は、2月19日付けの「東京新聞」に、“菜園ブーム手軽さ人気”、「ミニ耕運機市場開拓中」との見出しの記事が偶々載って居り、市民農園ブームもあって、今年は15万台の市場拡大が見込めるとあり、それでは、どんなメーカーの機種をどんな理由で選択し、其の結果がどうであったか、購入を計画されている方が居れば、一寸その参考になればとお話を致します。
―中国製は安価が売り物―WebImagesより
一般に家庭菜園と申しても、始める動機やその考え方、その規模や栽培作物は、個々人で大きく違い、昨近の有機栽培ブームもあって自然任せの余り手を掛けない栽培志向の強い方も多く居られ、又、極端な例では、雑草も禄に抜かない無肥料無耕起栽培を提唱される方も居り、猫の額のような僅かな広さの菜園で、玩具のような動力装置を操って、少しでも楽をしようと土を掻き回す姿等、信条的にはどう考えても気恥ずかしい事と思っています。
しかし、寄る年波には勝てない上に、先のブログの中でも触れましたが、作物栽培の媒体としての土壌機能の向上には、前作で残した残根等の作物残滓を粉砕し、充分な空気を入れての速やかな微生物分解の促進、合わせて苦土石灰や微量要素を添加してのpHの改善、堆肥腐植を混入してのC/Nの調整等、一作毎の耕耘は事欠かせない当然の作業です。
―US市場は中国製のオンパレードーWebImagesより
扨て、前置きが長くなりましたが、ミニ耕運機の選択のポイントは、先ずその作業能力にあるのですが、精々100坪程度の菜園の広さが対象と言われると、其の範囲内での作業では、作業能力以上に購入に当たっての考慮の必要な点は運搬と収納の容易さであり、それは本体重量と容積です。
―電動式もポピュラ―なUS市場―WebImagesより
実は、現役時代に永年携わった関連作業機械の開発営業の経験から、この種の作業機の性能効率は、掘削抵抗と作業機重量と動力源出力の最適な組み合わせの設計構造にある事が分かって居たのです。
それで、購入機種選定では、ネット上でのメーカーカタロク数字で本体重量の適切な候補機を絞り、老人が一人で、楽に運搬と収納が出来る重量は、先ず20㎏以下と決めました。
―重量と操作性が大切な耕運機―WebImagesより
次の選択のポイントは、言うまでも無く、耕耘能力ですが、実はそれは作業時の安定性と操作性の良さに有ります。耕耘機の基本設計構造は、安定した耕耘能力と推進走行力ですが、それにはそれに見合った本体重量と原動機出力が必要であり、且つ適切な耕耘用のタイン(爪)の幅とその径に牽引走行輪を備えている事です。
しかし、ミニ耕運機では、回転する耕耘用のタイン(爪)が耕耘と走行輪の両方を兼ねる構造であり、耕耘性能と安定した走行力のカギとなるのが、其のバランスを取る機体後方に設ける抵抗棒にあるのです。
―日本でも売り出された電動式―
それには操作ハンドルで、耕耘するタイン(爪)軸と抵抗棒の2点をシーソーのように操るコツが、作業効率と安定性確保のポイントとなり、其の操作の善し悪しの決め手となるのが、操作ハンドルの長さや高さ、形状に本体重心とのバランスにあるのです。
―重量17kgのHondaのミニ耕運機―
各メーカーは、そうした基本設計構造を出発点にして試行錯誤を繰り返し、製品としての完成度を揚げて来たのでしょうが、日本のように追従する類似製品の多い国では、先行メーカーよりは、リバースエンジンニアリングの得意な追従メーカーの類似品の方が、完成度が高く、価額が低くて性能が良い場合が多々あり、其の辺の適切な判断は難しいのですが、良い製品を見つける大きなポイントでもあるのです。
―重量27kgのHondaのミニ耕運機―
この分野で先行するH社の製品は、既にシリーズ化され、充分な経験に基く優れた商品群ですが、実は、其の信頼性の高さより、追従メーカーの類似品に目を付けて、依り優れた商品の選択を進めたのです。
―US市場でも人気のHONDA製品―
其処で気付いたのは、各社が殆ど同じにしている耕耘幅とタイン(爪)の径ですが、それが異なる追従メーカー品が有る事です。そこで、少ないネット上の作業中の動画を何度となく繰り返して見ては比較し、つぶさに観察して見ました。
―購入を決めた19kgの機種―RCV-3400
当然、タイン(爪)の径が大きくなれば、抵抗が増えるので耕耘幅も狭める事になるのですが、追従メーカーの類似品が、敢えてそれを実行した事に注目し、何回も動画を見てはその影響と安定性を比較し、終に、そのR社の製品が優れていると判断し、購入する結論を出しました。
使って見た結果は予想どうりで作業能力も上々であり、1時間以上も掛かっていた手作業での耕転がたった5分で終わり、今春からは余裕があるので菜園面積をもう一寸増やそうかと思っています。
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