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子宮内膜過形成のリズちゃん

2016年01月20日 | 診療科目

このブログには手術時の写真があります。苦手な方はご注意ください。

 

お年をとって子宮の病気になったリズちゃんを紹介します。

↑ お利口な10歳のチワワさんです。

数日前から便が細く、おかしいと思って見てみるとお尻が出っぱっているとの事で来院されました。

触診と直腸検査を行い、肛門と膣の間に硬い直径5cm程の腫瘤様病変を認め、子宮からできている可能性が高いと判断しました。

 

手術時の写真です。毛を刈ったことでお尻が出っ張っているのが見た目でもわかります。

元気や食欲などの一般状態は良好ですが、排便障害が出始めていること、高齢での子宮の疾患とのことで、早めに対処するために、リスクはありますが手術により避妊と腫瘤を切除することになりました。

いざ手術を始めると

予想と異なり腫瘍ではなく、子宮の内側が過度に肥厚し、子宮全体が腫れているような状態でした。

切除した子宮も内側がボコボコして全体的に肥厚していました。

病理検査の結果では腫瘍細胞はなく、子宮が過度に肥厚した良性の変化(子宮内膜過形成)と診断されました。

卵巣に嚢胞や異常な黄体も認められたことから、お年を取った事で性ホルモンのバランスが乱れ、このようなことが起こったと考えられます。

術後、年齢的に免疫力も落ちていたため耐性菌の感染があり、回復するのに予想以上に時間はかかりましたが、今では調子もよく、また悪性の腫瘍などではなく良性の変化だったため避妊を行ったことで、お尻の出っ張りは徐々に縮小し、経過は順調です。

獣医師 小芦


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