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肺水腫のボスちゃん

2016年01月14日 | 診療科目

呼吸が荒いという事で来院したシーズーのボスちゃんです。

来院された前日からゼーゼーと咳は出て元気はあったみたいですが、当日の朝方からさらに呼吸が荒くなりり、状態もぐだーっとしているとの事でした。

病院に来た時には呼吸状態が荒いのはもちろん、粘膜の色もとても悪い状態でした(正常な子の粘膜は主にピンク色ですが、この時のボスちゃんは紫がかった色でした)

◎この時のボスちゃんの肺の状態

レントゲン検査、血液検査、そして以前別の病院で咳がでる原因は心臓かもしれないと言われたことがあるとのお話しより、第一に心臓が原因で起こる肺水腫を疑いすぐに治療にとりかかりました。

肺水腫とは肺の中に水が異常に増加して、肺のガス交換を邪魔することから低酸素血症、呼吸困難を来す病態の事です。

治療法として、肺水腫は緊急の状態であるのでまずは肺の水を引かせる為に利尿剤を投与して、酸素室で安静な状態をとりました。

◎その後の肺の状態の経過

↑(レントゲン写真は空気が黒くうつり、固いものが白くうつります)

主にオレンジの〇の中の白い部分に注目すると、だんだんと白い部分が黒くなってきていることがわかります。これは肺の中の水がだんだん引いてきている事をさします。

また、飼い主さんとお話しして入院中に状態が落ち着いてから心臓の超音波検査を行い、心臓のお薬を飲み始めることを開始しました。

結果として、ボスちゃんは重度の僧房弁閉鎖不全症と、軽度の三尖弁閉鎖不全症という心臓病がありました。

ボスちゃんは入院4日目から酸素室から出てすごし、呼吸状態も安定していました。退院後も咳や呼吸は安定している状態で、現在は心臓病の療法食を食べながらお薬で経過観察中です。

今後も安静に過ごしてもらい、少しでもサポートしていけたらと思っています。

 

獣医師 平湯


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