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反復性股関節脱臼のチロちゃん

2015年05月07日 | 診療科目

先日、噛み付きの矯正のために訓練所に預けている時に、右足を着かなくなったとトレーナーの方から言われたと相談に来たのは3才のプードルのチロちゃんです。

診察をしてみると確かに右足を接地していません。

そこで慎重に触診してみると・・・どうやら股関節が外れているようでした。

普段は相当な外力が働かないと外れない関節ですが、まずは確認の為にレントゲンを撮影しました。

↑確かに脱臼していました

そして撮影後に用手で整復を試みると意外なほどすんなり「カコン」という音が・・・レントゲンを見てみると

ちゃんと関節がはまっています!足の付き方も先ほどよりは随分良くなっているではありませんか!

大事をせずに脱臼が治ったのですから「良かったね」という話ですが、簡単に戻り過ぎです。

こんなに簡単に元の位置に戻るのなら、恐らくすぐに脱臼するだろうと・・・。

トレーナーの方が「車で移動中にゲージの中で足を着かなくなった」という話も信憑性があります。

 

とりあえず、関節が元に戻っているのでゲージ内での安静を指示して、再脱臼をしないか観察することになりましたが、やはり翌日には再脱臼をして来院されました。

今回のような脱臼の場合、股関節の形には異常が無いので、一度外傷によって脱臼したものが反復性脱臼に陥ってしまったのだと思われました。

当院での股関節脱臼の対応は、初回の外傷性脱臼に関しては関節を元にもどして固定をする方法をお勧めしますが、関節の形成不全があるものや反復性脱臼に陥っているものに関しては、大腿骨骨頭切除術をお勧めしています。  

  

↑ということで手術後の写真です。

チロちゃんは痛みに弱い子なので、術後は鎮痛処置を行いながら院内でリハビリを行い、最近は随分足を使うようになってきました!

もう少しリハビリを続けながら頑張って行きましょう!

 

獣医師 佐藤


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