昨日は「クワイエットルームにようこそ」を観てきた。これはおもしろかった。たぶん私が今年見た映画の中でベスト5に入る。内田有紀ちゃんゲロまみれになっていてもかわいい。全然不潔感がない。旦那役の宮藤官九郎、すごく実在感があった。いい人なんだけど、いかにも「電波少年」的お笑い番組に出てきそうな人でもうおかしくって、深刻な話をしているのに笑えて笑えて・・・・。以前患者にボールペンで首を刺されて死にかけたのにめげずに看護婦を続けているという無表情な冷酷ナース江口を演じてるりょうもよかった。有能で使命感に溢れていて、でも心を堅く閉ざしていないと生きていけないからステンレスみたいになっちゃったんだろうなあとよくわかる。
私が好きなのは、ほんわかナース山岸の平岩紙さん。NHKでやった「ロッカーの花子さん」以来のファンだ。鼻水そっくりの流動食を「ごはんとお味噌汁とおかずにスピード感を与えたものです。」とか「見た目はグロテスクですが、パンとミルクとイチゴというかわいいもので出来ております。」とかやさしい声で言うのだ。ときどきいるよね、こういうナース。どんな修羅場でもこんな人に淡々とこう言われたらホニャーンとなって、つい言うことを聞いちゃう。それからノーテンキなコモノのにーちゃん、「なんだか妻夫木くんに似てるなあ」と思ったら妻夫木くんだし、この先生やたらと貫禄あるなあと思ったら「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督だし、まじめでおもしろくないという元旦那、「おっ、私わりとこういう人好きだな。」と思っていたら、あの「鉄男」の塚本晋也監督でしたよ。どーしたの?あと、ちょい役で俵万智さんとか、しりあがり寿さんとか、しまおまほさんとか、なんという豪華なキャストでしょう。
でも、そういうのを割り引いても内容もよかった。いろいろと考えさせられた。異常ってなんだろうって。たとえば、拒食症で一泊2万円の豪華部屋に5年も入っているというブルジョアのサエちゃん。体重が35キロなんてちょっと風邪でもひいたら死んじゃうよ。だけど親は「退屈だろう」って1000ピースのパズルを差し入れてくる。図柄がエッシャーの「無限階段」。ピアノも上手だし絵もうまいとても才能のある子だ。だけど親は決して満足せずにあの子にいろいろ要求しつづけていたんだろうなあと思わせる。読める状態じゃないのに英文学の本とかね。この子は治りはしないよ。だって治ったらそんな親のいる家に帰らなきゃならないもの。この子よりも親の方を治療した方がいい。そう考えると、ここにいる人たちが病気で異常だっていうよりも、世間の方が狂っていて、この人たちは必死でそれに合わせようとして適応障害を起こしているんじゃないかとも思う。主人公と同じ薬物過剰摂取で入院した栗田さんも、あんなにまともそうなのに最後また戻って来ちゃって、家でどんなひどいストレスがあるんだろうと推測すると胸が痛む。
いろいろ考えさせられて、でもとびきりおかしくって、悲しくって、サイコーだった。すっかり松尾スズキのファンになってしまった。
私が好きなのは、ほんわかナース山岸の平岩紙さん。NHKでやった「ロッカーの花子さん」以来のファンだ。鼻水そっくりの流動食を「ごはんとお味噌汁とおかずにスピード感を与えたものです。」とか「見た目はグロテスクですが、パンとミルクとイチゴというかわいいもので出来ております。」とかやさしい声で言うのだ。ときどきいるよね、こういうナース。どんな修羅場でもこんな人に淡々とこう言われたらホニャーンとなって、つい言うことを聞いちゃう。それからノーテンキなコモノのにーちゃん、「なんだか妻夫木くんに似てるなあ」と思ったら妻夫木くんだし、この先生やたらと貫禄あるなあと思ったら「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督だし、まじめでおもしろくないという元旦那、「おっ、私わりとこういう人好きだな。」と思っていたら、あの「鉄男」の塚本晋也監督でしたよ。どーしたの?あと、ちょい役で俵万智さんとか、しりあがり寿さんとか、しまおまほさんとか、なんという豪華なキャストでしょう。
でも、そういうのを割り引いても内容もよかった。いろいろと考えさせられた。異常ってなんだろうって。たとえば、拒食症で一泊2万円の豪華部屋に5年も入っているというブルジョアのサエちゃん。体重が35キロなんてちょっと風邪でもひいたら死んじゃうよ。だけど親は「退屈だろう」って1000ピースのパズルを差し入れてくる。図柄がエッシャーの「無限階段」。ピアノも上手だし絵もうまいとても才能のある子だ。だけど親は決して満足せずにあの子にいろいろ要求しつづけていたんだろうなあと思わせる。読める状態じゃないのに英文学の本とかね。この子は治りはしないよ。だって治ったらそんな親のいる家に帰らなきゃならないもの。この子よりも親の方を治療した方がいい。そう考えると、ここにいる人たちが病気で異常だっていうよりも、世間の方が狂っていて、この人たちは必死でそれに合わせようとして適応障害を起こしているんじゃないかとも思う。主人公と同じ薬物過剰摂取で入院した栗田さんも、あんなにまともそうなのに最後また戻って来ちゃって、家でどんなひどいストレスがあるんだろうと推測すると胸が痛む。
いろいろ考えさせられて、でもとびきりおかしくって、悲しくって、サイコーだった。すっかり松尾スズキのファンになってしまった。