よいニュースと悪いニュースと

日々，流れてくるニュースの多いこと。つい１０日ほど前の秋葉原の通り魔事件が，とても遠い昔のような気持ちになってくる。

イラン南東部を旅行中だった大学生の中村さんが武装集団に誘拐されて，既に８か月がたっていたが，今回無事に解放されたそうだ。新聞一面に笑顔の写真が写っている。意志の強そうな顔をしているが，やはりホッとした様子で，家族の人も安心しただろう。北朝鮮に拉致された横田めぐみさんのことでも思ったけれど，毎度，こういう事件が起こると，もしも我が子がそういう状況になったら，自分はいったい何ができるだろうと想像してしまう。

我が子だったら・・といえば，あの秋葉原の通り魔事件にしても，もしも我が子がそうだったら，おそらく，生きてはいられないような気がする。表に出ていない家庭内のこともたくさんあるだろうし，それは最終的にはやった本人が責めを負わねばならないことだと思うのだけど・・・しかし，そうしてしまった自分の子育てを非難されたようなものだ。

子育てのやり直しなんて，そうそうできるもんじゃない。なんとかちゃんと自立して生きていけるようにと，育てるしかないんだろうけど・・・でも，なんというか，私は自分のこれまでの子育てに，全く自信はなくて，流されてしまう弱い自分のことも自覚しているので，毎度事件が起こるたびに，我が子がそうはなりませんように・・と，祈ってしまう。

以前，美容院へ行ったとき，多分そのときも，何か子どもがらみの事件があったときだと思うが，先生が，自分の子どものことはとてもよく分かるという話をしたことがあった。その話を聞きながら，そうきっぱりと言い切れるというのは，ちゃんと子どもと向き合ってきたという証拠なんだろうなと思った。

我が子だったら・・と言えば，先日の地震では，あり得ないくらいの山崩れで，行方不明の方もたくさん出ている。中に，両親が山菜採りへ行ったまま帰らないという子がいたのだけど，それは高校生の１８歳の長男ということだった。１８歳といえば，息子と同じ年だ。長男ということは，一番上か，まだ上には姉でもいるのか，下には兄弟はいるのか・・。ひどい地震の後で，朝家を出たまま帰らない両親を，その子はどれくらい心配したことだろうと思うと，いてもたってもいられない。我が家にしても，もしも息子一人を残して・・と思うと（もちろん，上に姉はいるが），死んでも死にきれないと思う。その子がひとりぼっちになりませんように，両親も，どこかで元気に生きていてほしいと，ニュースを見ながら思う。