もちつきうさぎ

ぺったんぺったん、もっちもち!
ハートのおもちつきでスマイル満開なエッセイブログ。

花の江戸子、なにわをゆく 13

2007-03-17 | 旅のおはなし(花の江戸子)
~転勤族の憂鬱~

怒涛の引越しから数ヶ月、
さまざまな不安を吹き飛ばし、
我が家の社宅生活は順風満帆だった。

そんなある日
大阪、北摂にある万博公園に遊びに出かけた。

はじめてあの有名な
「太陽の塔」
にご対面した。


真下から見上げる「太陽の塔」は
すばらしく、でっかかった。

てっぺんに輝く黄金の顔、「未来の太陽」
お腹の部分の顔、「現在の顔」

正直、私が知っている「太陽の塔」は
この2つの顔に象徴される
「竹の子みたいにすくすく伸びていこう!」的な
イメージでしかなかった。


でもこのときはじめて知った。


背後にある黒い顔「過去の太陽」と
見ることは出来なかったが、
お腹の中(地下)にある「地底の太陽」の存在。

黒い顔の太陽に見入ってしまった。
そしてお腹の中の太陽を想像した。


転勤族として「なにわ」にやってきた
東京生まれ、東京育ちの「花の江戸子」。

そんな私の気分そのものが「太陽の塔」だった。


“家族みんなでこの土地で暮らしていくんだ。

 楽しいよ、楽しすぎて浦島太郎だよ。

 でも、いつか東京に帰らなくてはならないんだ。

 いつまでここにいるのだろう・・・。


どうしようもなく裏腹な気持ちを抱えている
自分がいた。



「地底の太陽」が見たかった。
どれくらいここに根っこを下ろしているのか知りたかった。




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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (メル)
2007-03-18 13:22:57
当時のニーナさんを知らない私は、読めば読むほど新鮮です。この頃既に私も地元を離れて、すぐ近くに住んでいたのですが、まだまだ私たちの出会いは先になるんだものね。
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メルさんへ (ニーナ)
2007-03-18 15:16:28
あの頃、自分が「転勤族の妻」という存在であることに虚しさを感じていたのかもしれません。だって、夫は「(転属となった)会社」という新しい世界があり、3歳の子どもですら新しい「遊び」の世界があっという間に広がっていったわけですから・・・ね。
でも振り返ってみると、「太陽の塔」を見てあれこれ考える余裕が出てきたってことなんだと思います。
引越しのてんやわんやが一段落ついた頃のお話です。
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転勤 (fujimino)
2007-03-19 17:41:07
僕は、大阪にも名古屋にもいた事があります。
また月単位でしたら、鹿児島、熊本、宮崎、長崎、松山、広島、仙台、新潟等々・・。
でも全て単身赴任でした。
家族で行くとなると大変でしょうね。
ご近所とのお付き合いもあるでしょうし、子供の学校もあるでしょうから。

そうそう太陽の塔を後ろから写す事って殆ど無いんですよね。
ですから行ってみて、始めて裏にも顔がある事を知ったなんて良く聞きます。
地底の太陽は行方不明ですし、もう実物は見られないかも知れませんね。
古生代から現代までの地球の歴史を表した太陽の塔、壊さなくて良かったですね。
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fujiminoさんへ (ニーナ)
2007-03-19 22:32:24
fujiminoさんはずいぶんいろいろなところへ赴任されていたのですね。しかも単身赴任とは!お食事のことなど、奥様もご心配だったことと思います。

私の場合、子どもを通じていろいろな人との出会いがあった転勤暮らしでした。
万博公園の近くに住んでいたこともあり、よく遊びに行きました。行くたびに背後の黒い太陽は物凄いインパクトがありましたねぇ。
未だ見ぬ地底の太陽と共に、なにかメッセージを送ってくれているようでもありました。
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