もちつきうさぎ

ぺったんぺったん、もっちもち!
ハートのおもちつきでスマイル満開なエッセイブログ。

花の江戸子、なにわをゆく 14

2007-03-18 | 旅のおはなし(花の江戸子)
~君がいるだけで~

「地に足がついていない」
・・・・そう感じはじめていた。

引っ越して数ヶ月、
忙しさと新鮮さに心うばわれ、
なにかフワフワしたものの上を歩いていたような私。

一度、リセットしなくては・・・という思いもあり
東京へ帰省することにしてみた。

夫は仕事があるので息子とふたり、
“のんびりしてこよう”と新幹線に乗り込んだ。

当時は「ひかり」で3時間。
3歳の子ども連れにはちょっとしんどい長さである。


新横浜をすぎた新幹線は
ゆっくりと品川、大崎あたりの高層ビルの間を
通り過ぎていく。

離れて間もないというのに
なぜかとても懐かしい景色。

こんなにも都会を愛していたのか?

自分でも驚くほど目頭が熱くなる私だった。


それから数日、引っ越す前の公園仲間に再会したり、
行き慣れたデパートで買い物をしたり、
楽しい日々を過ごした。

なんとなく気持ちも落ち着き
さぁ、明日大阪に帰ろう!という日の夕方、
息子が突然、熱を出した。

お薬をのんで様子をみていたところ
急に震えだした。
それもただの「震え」ではない。

「熱性けいれん」だった。
・・・・・はじめての「痙攣」に私はパニック!

救急車を呼び、病院へ。
それから数日間、息子は入院することとなった。

そのときのお医者さんの言葉が忘れられない。

「息子さんね、ぼくのおうちはどこなんだろう?ってね、
 わかんなくなっちゃったんじゃないかな?
 子どもはお母さんが不安だと、う~んと不安なんですよ。」

ごめんね、ごめんね。
頼りないママでごめんね。

・・・・涙があふれた。



それから、心に決めた。
どこに住んでいようと、私は私。
揺ぎない自分でいよう。

私の根っこがない大阪ならば
とりあえず、「挿し木」からはじめよう!

そう「揺ぎない挿し木」でいよう!・・・と。



その「挿し木」は・・・・

たくさんのステキな出会いとともに
大きな大きな木へと育っていくのであった。























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