もちつきうさぎ

ぺったんぺったん、もっちもち!
ハートのおもちつきでスマイル満開なエッセイブログ。

せつない焼きりんご

2008-01-19 | 手作りおやつ
          <シナモンスティックがおしゃれでしょ♪>
                     
私の母はとにかくなんでもトライする人だ。
私が小学生のころは、
パン教室に通ってパンを焼いてみたり、
当時はめずらしい手作りヨーグルトをつくってみたり、
そういえば、ご近所さんの中でいち早く「生協さん」を
はじめたのも母だ。

三世代同居家族という古いしきたりの中で
精一杯“主婦業”を楽しんでいた母の姿がそこにはあった。

そんな母が最もイキイキと輝いてみえたのは
オーブンレンジが我が家にやってきた日である。
そのころ、オーブンを持っている家はまだまだめずらしく、
どんなお料理が出来上がって、オーブンの中から出てくるのだろう~!
・・・と母とドキドキワクワクしたのを覚えている。

母はウンと張り切ってお料理をつくってくれた。
グラタン、ドリア、ホイル焼き、ローストチキン・・・etc.

三世代同居家族の食卓ゆえに
オーブンならではの洋風料理と、
祖父母に配慮した和風料理、焼き魚、煮魚、おひたし・・・・
などが一緒に並ぶレパートリー広め~の夕食。

それはそれで毎日レストランに行っているような気分で楽しかった。

そんな母が一度だけ失敗したことがある。
「焼きりんご」をオーブンレンジでつくったときだ。

当時のオーブンは温度調節が難しい上、タイマー機能などはついておらず、
ちょっと他の用事に気をとられていたそのすきに
家族の人数分、6個を焼いた「焼きりんご」は真っ黒こげになってしまったのだ。

「りんごは生で食べたほうがずっと美味しいよ!」
・・・などとなぐさめになっているようで全然なっていない
家族の励ましに、とてつもなくひどくガッカリしている母の姿が
今でも目に焼きついている。

りんごを6個も真っ黒こげにしちゃったからガッカリしてるんだ。
・・・・と思い込んでいた小学生の私。

だけど、今ならわかるよ・・・、
ほんとは家族みんなの「わぁ~!」って喜ぶ顔がみたかったんだよね。

           

私の「焼きりんご」の味は甘いけれどほろ苦くてせつない味。

真っ赤なりんごをくりぬいて
くるみ、ラムレーズン、砂糖、アーモンドパウダー、シナモンパウダーに
レモン汁をしみこませて中にたっぷりとつめる。

真ん中にシナモンスティックをさしたらあとはオーブンで焼くだけ。
170℃で20分、つづけて200℃で15分。

今ならば、他のお料理つくりに気持ちをもっていかれていても
らくらく作れてしまう一品だ。

だけど・・・オーブンから取り出すその瞬間、
私はいつも私が小学生だったころの
オーブンの扉をあける母のうしろ姿が目に浮かぶ。

そんな私の「焼きりんご」。

さぁ、自転車に乗って母に届けてこよう! 




     日記@BlogRanking
母のおいしい笑顔が楽しみな私です。
 いつも応援ありがとうございます!よろしくお願いします。






Comments (9)
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