SOHO@軽井沢

仕事の話はほとんど出てきませんが、軽井沢でSOHO生活してます。

風越夫婦石

2008年05月18日 17時53分05秒 | 軽井沢の史跡
いま自宅の新築をお願いしている建築士さんは遺跡についての同好の士であり、軽井沢の史跡を教えてくれる師でもある。
その人に教えてもらった遺跡のひとつがここ、風越にある夫婦岩だ。

今は神社には必ず建物があって、その中に神様が祀られているが、日本の古代においてはそうした建物はなく、必要に応じて神様を呼び寄せ、お告げを聞いたりお願いごとをし、用が済んだらお帰り願っていた。神をうまく使えば、人にとって非常に強力な力となってくれるが、神は時に人が制御不能な仕打ちをする怖い存在でもあった。だから、いつまでも近くにいてもらうのは不都合な存在だったとされる。
そうしたときに神様にお立ち寄りいただくのが岩の上だった。その岩の事を磐座(いわくら)と呼ぶ。
この夫婦岩も磐座であるらしい。
そうした祭祀の仕方が廃れたあとでも、岩そのものに対する信仰もあり、もしかしたらこの岩は、古代祭祀にまでは遡らないかもしれない。
ただ、祠が祀られていることから今も祭祀の対象となっている岩であることは間違いない。

この岩は塵芥処理場そばにある風越夫婦石マレットゴルフ場の中にある。
塵芥処理場に入る道を行くと、林を通して巨岩が見える。ここは何度も通った道なのに教えられるまではまったく気がつかなかった。

案内してもらったのはまだ雪の残る2月の終わり。



雪を掻き分けて入っていく。



この岩の裏に祠が祀られているそうなのだが、思いの外、雪が深くここまでが限界だった。



その後、3月の終わり、雪が融けた頃に再び訪れてみた。



岩の裏側に回ってみる。
おお!しめ縄と祠が祀られている。



祠は割れた巨岩の間に置かれている。
岩はいくつにも割れているが大きく分けると2つになる。
だから夫婦岩なのだろうか。
あるいはこの岩の割れ目を女性の象徴と見、男性の岩は別に見立てたのかもしれない。
と、いうのも少し離れたところに



もう1つの岩があるからだ。
でもこちらは特に祀られている様子はない。いつしか由来が忘れられて祀られなくなったとも考えられるが、男性っぽい形でもないから、祠のある岩で夫婦岩なのだろう。



岩の種類には詳しくないが、この滑らかな表面は溶岩だろうか。
浅間山から少し離れたところに離山という山があるが、これは噴出した溶岩がかたまったものだという。これも溶岩がちょびっと噴出したものなのかもしれない。



林の間からは雪のかぶった浅間山が見えた。

風越夫婦石