写真:直近のお気に入りCD electric gypsyland 2 近年無国籍系DJを発端に世界的にクラブシーンで注目を集めるジプシーサウンドを名だたるサウンドメーカーたちがリミックス・トリビュートした作品の第二作。Tunng/Buscemi/Shantelらは僕の中でも新しい領域への案内人として非常に気にしている人たちです。今秋の最重要アイテム間違いなし!!

パリコレいってきます。

其の前に、広島・宮島の満月祭は今年も最高でした。
山や海の野外ライブは、人は自然に還るべきだという思いを強くさせてくれるのです。ヨガのワークショップ、洗剤を使わないアクリルたわしのワークショップなどもあり、400人限定の7日間村祭りはとてもよい空気が流れていました。

DACHAMBOの面々と逢うとそれだけでニッコリします。
バンドを仕切ってるエイジ君(ベース)とも呑めたし、彼とCro-magnonのシゲと三人で今度呑もうと思ってます。

日本のバンド音楽の未来は、我々のような「自立」したバンドが担ってると、強く感じました。人それぞれで大いに結構ですが、真の自由の意味というのは、リスクを超えて味わったものにしか理解できないと思います。リスクの形も、人それぞれだけれどね。

いまインターナショナルに盛り上がってる最先端のシーンというのは、おおむねダブ・レゲエ、ソウル・ファンク・ヒップホップ(此処にはそれ以前のブルーズ・ジャズの流れも含まれる)に始まる70年代的最先端黒人ダンスミュージック(そしてREBEL)とパンク、ニューウエーブ的ロックの創造的「父親殺し」の伝統(むろんREBEL)、そして60年代を中心としたウッドストックカルチャーから続く精神宇宙の探究と、そこからの気付きから得られる現行世界(社会)システムへの懐疑はたまた翻ってそれは自己存在への内省哲学(故にREBEL)、といった要素の中に、それらの元素から発展したエレクトロ音楽のビート性と飛び性が加わって、そしていま、「トライバル(民族的)」な「アクの強さ」が大きな価値を占める時代になってきてます。つまり一周して音楽はまた民族音楽の時代に戻ったわけです。いや、戻ったのではなくて、進化したうえで最原点をまた通過しようとしています。

ワールドミュージック、などという曖昧で無知な捉えは20年前の遺物と化して、もっと具体的な地域性、民族性が先行く音楽旅人たちの耳をとらえています。

特にいま世界的に流行りだしてるのが、ジプシー音楽とエレクトロ音楽の発展的融合から生まれるバルカンビート等のようなものであったり、無論アフリカ音楽のクラブ的アプローチはもはやひとつの伝統を築きつつあるし、バイリファンキみたいなものが世界中のクラブでイベントやってたり、いや、勉強不足の小生ではまだとらえきれていない中でも、BBCワールドなどの良質な番組においてUKの伝統として「世界中のローカル音楽を拾い出して紹介して自分のものにする」的な動きが、非常に面白いと思います。というのは、それが民族性の差異をもって争ってきた現実社会(政治・経済)では永遠に叶わない理想とすら思われてきた上下のない民族間の価値の交換をいとも簡単に成し遂げつつあるからです。(そうした中でも、やはりTHECLASHの後世に与えた影響は計り知れないと、近頃つくづく思い知りました。NYで勃興しているネオ・アフロビートのバンドがMAGNIFICENTSEVENをカヴァーしてたりするだけで、もうゾクゾクしてしまうものです。下北沢DISCSHOPZEROのレビュー風にいうなら「即死」です。)

確かにただの快楽性におぼれて奈落に消えていくライフタイムトラベラーも居ますが、それは「まとも」を気取ってる普通世界における割合と比べて多いかというと多分少ないと思いますし、そこから這い上がって戻ってくる人は必ず他人を導く人力を備えると思うし、はたまたギルスコットへロンやイルボスティーノ、マヌチャオやジョーストラマーのような明確な社会メッセージを携えていない「ただの」ダンスミュージックという手法であったとしても、仮にそれが無意識であったとしても、クラブ音楽(もはやこの呼び方では、何も表せない時代になっているが)の在りかたそのものが「かっこいい」「血をたぎらせてくれる」「マインドミュージックとしていい」「何か潜在的な古代意識を蘇らせてくれる」ものであったりすれば、そこに在るプロパガンダや思想性の云々以前に、フロアに立ってるものにとってはすんなり受け入れられたりするものなので、その結果多文化を意識内に受け入れるライフスタイルが通常化しているのです。

これは非常に希望的で理想的な、もはや意識の中のユートピア状態です。

笑っちゃいけません。笑った人は多分オクレテます。

ついてきてください。
ついていきます。
なぜなら、至上の喜びが其処にあるからです。

僕は自分のことを「ミュージシャンだ」と心の底から思ったことはありません。
音楽をやるために音楽をやっているのではなく、音楽以上のことを成し遂げようと思って音楽をやっています。

それでもこう思います。

衣食住 音 なんだと。

だからライフタイムトラベラーの必須科目は、「本当の音楽」を知ることです。

下北沢のディスクショップゼロ とか、本当に最高です。
最高のセレクトが成されてます。
世界に誇るべきレコード屋さんです。

場所もサイトも情報はありますが、わざわざ此処にかきません。
明日からの渡仏の支度も手をつけていない状態で、思わず書き始めてしまったからです。URL探してきて貼るのが面倒です。
自分で探してみつけた人だけ、宝箱をあけてください。

満月祭でダチャのエイジ君ともこんな話をしました。
「結局、ものすげー山奥で祭りを開いても、たどり着けるようなガッツのある人たちにしか伝えられないものはあるよね」。

安易でインスタントでプラスチックでイルな現代文明から脱却するのに必要なのは、ジャスト「ガッツ」です。
自然で自由である、とはつまり「ガッツ」です。
自由であることの不自由を享受できるかどうかという「ガッツ」です。
その代わり、バビロンに加担せずに済むのです。

嗚呼、この話は、ROVE誌の原稿にしておけば良かった。

ROVE編集部の新矢くん、フランスから帰ったら一日で原稿仕上げますね。
フランス行く前に書くより、還ってからかくほうがいいやね。
ちゃんと期限守ります。大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。(自分に念押し)


三宅ブログ | コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )

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コメント
 
 
 
お疲れ様でした (ケミケミ)
2007-10-02 21:39:57
ここのところ三宅君は、振れ幅の広い時間と場所に身をおくことが多いようでうらやましい限りです。
入浜での三宅君とEIJIくんの会話に頷いているうちに、いかに視野の狭い毎日を過ごしているのかと痛感した次第です。
フランスの次にはぜひ中東にも行ってみて欲しいと思います。きっとひとつの答えが其処にあるだろうと思うからです。
 
 
 
巴里 (Rove sinya)
2007-10-03 00:39:21
フランス帰りの濃い原稿楽しみにしてます!
今回はなにか写真を載せたいなとも思ってるんで、なにかあれば宜しく!

あと、今さらだけど先日のリキッドすごかった。
ライブ後、バーフロアで見かけたけど、なんて声掛けていいかわからなかった位。今度また、どこかの酒場で話せたらいいですね。

私信でした。
 
 
 
羨ましい ()
2007-10-04 06:00:58
恐らくコメントに反映されないとは思いますが、素晴らしい音楽人生送っていますね。何だか心強いです。
 
 
 
ボンボヤージュー (カラ)
2007-10-04 11:31:00
ZEROはほんとうに宝箱です。
ネットでたまたま見つけた時はすごく嬉しかったー。
まだ実際にお店に行ったとこはないですが、
ZEROとここhttp://www.meditations.jp/とで、
試聴だけで数時間は旅が出来ます。

パリから帰っての報告、とても楽しみに待っています。
 
 
 
Unknown (023)
2007-10-06 22:16:11
ブックマークしてたんでURL貼っておきます。
余計なことでしょうか。
まぁ、いいじゃないですか。
http://www.discshopzero.com/0.html

今回の内容も興味深く読ませていただきました。
音楽ってやつは日進月歩回り回っていますね。
それも同じ場所を回るのではなく螺旋階段のように徐々に高い次元へと駆け登りながら。
 
 
 
Unknown (えむ)
2007-10-10 00:25:41
社会に出て数年、
社会の中で生きる上で、
プライベートで円滑に付き合う上で、
“大人”として生きる上で、

こうでなくてはならない、
こうであるべき、
と言ったものが常にわたしに付き纏い、
最近は何か閉塞感を感じる日々です。


ふと、
久しぶりでしたが犬式を聞いて、
そんな思いが更に強まりました。
そして、
わたしは女ですが、
三宅さんの生き方がとても羨ましくかんじました。

今わたしは25歳、そういう時期なのでしょうか。

自分自身は何一つ昔と変わっていないのに、
まわりの反応が変化しています。
それに応えるべきなのか、と足掻いているかんじ。
三宅さんもそういう時期はありましたか?
 
 
 
Unknown (ann)
2007-10-11 10:56:13
紹介のCD試聴で気に入ったんで早速購入。
良いですねこれ!
とても気に入りましたぜっ。

衣食住 音
まさに!

パリ報告待っとりますよーっ。
 
 
 
桜坂セントラル (ひょー)
2007-10-15 09:26:29
13日ライヴお疲れ様でした!!



犬式見るのは去年のnbsa渋谷以来でした!!



今年も色んなLIVEに行きましたが

自分の中のベスト1です♪

尊敬する三宅さんをあんなに間近でみれて

最高の夜になりました♪♪



カッキーさんとみんなでツケ麺を食べ、

パスポートの話を聞いた時間はとても楽しく

一生忘れない夢のような時間でした。



勝手に参加したアフターも快く迎えて

下さって本当に大きい人達だな。

とより尊敬の気持ちが強くなりました!!



昨日のBBQはどうでしたか?

沖縄を楽しく過ごせてる事を願います!!





今年も残り少ないですが、また犬式のLIVEに

行く事を楽しみに頑張っていきます♪



その時はまた熱い言葉を御聞きできたら

と思います。

あと、名前名乗るが遅くてスイマセンでした。



ありがとうございました!!!!

 
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